俺、色々教えてもらった!

 まさか龍が俺達の所に来てくれるなんて思いもしなかったぜ。龍って言ったら神話上 の生きもんだ。悪を見抜き善なるものには祝福をくれるっていう話だがどうやらこいつは子供らしい。一も二も分からないこいつを利用すれば、俺は国に戻ることが・・・・!いや、王にだってなれる。龍は賢い生き物だって言われてるが、赤ん坊ならどうだ?俺達の言うことを聞くように調教さえすれば・・・・




 俺が村に来てから1ヶ月が経ったよ!。明るくなるのが朝で暗くなるのが夜それを1つで1日だってマロアに教えてもらったんだ。それが7日で1週間、30日で1ヶ月それを12回で1年なんだって。今は4月15日で金の日!橙 黄 緑 青 金 黒 赤の順番で曜日を表すんだ。この色の順番はお空に浮いてる大きいキラキラの月の色なんだって、マロア物知り~


 マロアは色々な人に薬を作る仕事をしてるんだけど、ほかの事も色々知ってる。たとえば、村に住むなら絶対に働かなきゃいけない事とか村長の指示には絶対とか。村長っていうのは俺に話しかけてきた人でバイロンって言うんだって。この村に住む人はみんな同じような形してるけど、人間っていう種族なんだって。人間は魔法を使える人と使えない人が居て、魔法を使える人が偉いってことをバイロンに教えてもらったよ。

 

 俺はここに住むことに決めたから、お仕事をしないといけない。俺のお仕事は、畑に水をあげて、みんなに水を配り体を癒すこと。後は、ゴミを捨てたり木を切ったりお掃除したり。忙しくて遊ぶ時間が無いけど、お仕事が必要なら仕方ないよね。

 

 俺が仕事するとみんな褒めてくれるし、新しいお仕事をくれるんだ。必要なんだから頑張らないと。今日のお仕事はモヤモヤする所に行って動物を狩ってくるお仕事だ。人間は飲んだり食べたりしないと死んじゃうらしい。それで、お肉が必要だから俺が取ってくるのだ。俺は食べなくても死なないから食べれないけどね。あ、見つけた~!


「キュウ!」


 俺が今日見つけた獲物は魔獣と化したイノシシだ。大きさは俺の何十倍もあるけど、俺の魔法を当てれば一発だ。小さな水玉を作って勢いよく飛ばし、魔獣の体を貫通させるとパタリと魔獣は崩れ落ちた。

 

 前は大きな水玉を当ててたんだけど、食べる所が無くなるって怒られたんだ。魔獣は核と言われる場所があるからそこを狙えば一発で倒せるんだ。だから、大きな魔法を使う必要がない。


「キュキュ~」


 俺ならこのぐらいの重さ余裕だけど、持つの面倒くさいから最近新しく覚えた魔法を使ってしまっておく。その名もポケット!バイロンが言うには違う名前らしいけどポケットの方が覚えやすいからこっちで。このポケットは色々なものを沢山入れることが出来るんだ。でも、生き物は入れられない。


 こんなに大きなイノシシならみんな喜んでくれるだろう。この村に来てからいろいろなことを教えてもらった。数の数え方とか、物の名前、魔法とか俺が知らないことを色々教えてくれたから感謝してるんだ~俺もっと頑張る!


 大物を取れた俺はルンルン気分で、村に戻るとなんだか何時もと違ってざわざわしてるな~何があったんだろ?みんなが集まってる場所に行くとそこには俺が知らない人が居た。馬車が来ていて、みんなそれを買ってるみたい・・・・あ


「キュ~(バイロン)」

「おう、帰ってきたか。獲物は取れたか?」

「キキュッキュ(何があったの?)」


俺が不思議そうに首をかしげてるのを見てバイロンは


「あぁ、お前は知らなかったな。行商人が来たんだよ、紹介してやる。お~いセルル」

「はいはい」


 人込みから出てきたのは、村にいる人より一回りぐらい横にでかい人間だった。セルルって呼んでたけど、この人の事かな?その人は俺を見て笑うと、


「初めまして龍様、あっしは行商人のセルルです。今後ともよろしく」

「キュ~?」

「どうやら龍様は商品に興味深々のようですね。どうぞ好きに見ていいですよ」

「キュウ!」


 見ても良いって言ってくれたので、俺も見てこよ~何があるかなっ


「・・・・セルル例の物は手に入ったか?」

「えぇ勿論、少し手間でしたが何せ龍ですので」

「はっはっこれで俺も・・・・」

「そのおこぼれあっしにも下さいね」


 お~色々あるな~これ知らない果物だ。美味しいのかな?何だこの人形!?可愛い~面白~いこれ欲しいな。でも、確かこういうのってお金払わないといけないんだよね。俺お金持ってない・・・・バイロンは~セルルと楽しそうに話してるし村の人も滅茶苦茶嬉しそうだ。


 なんか俺のこといつも以上にジロジロ見てくるけど何でだろ?それになんか・・・・みんな黒いモヤモヤを体から出してるんだよな。ちょっと気持ち悪い。欲しいけど、どうしようと人形を持ってふよふよしてるとそれに気づいたマロアが


「それが欲しいの?買ってあげるわ」

「キュ!?キュキュゥ!!(本当!?マロアありがとう!)」

「えぇ良いのよ。だって今日は特別な日ですもの」


 マロアも行商人が来たことを喜んでるみたい。俺は買ってもらった人形を大事にポケットに入れておく。やった~今度住処にかざっとこ。


 今日はセルルが来たことを祝って、村の真ん中で俺が狩ったイノシシで宴をやることになったので俺も参加してるけど俺はお肉を食べれないので、木の実をもぐもぐ。この宴には村の全員が参加してる。みんな楽しそうだな~と思ってるとバイロンが


「おう、チビお前にプレゼントだ」

「キュ?(なに?)」


 バイロンが笑いながらくれたものは、リンゴくらいの大きさの丸く黒色の横線が入った青い果物だった。受け取って匂いを嗅いでみると、なんだが深く落ちていきそうなほど濃密な魔力の匂いを感じる。俺の好物が魔力だからくれたのかな?

 折角貰ったんだから、今食べよ~と。バイロンにお礼を言いながら果物を食べると、すごく濃密な闇の魔力が俺に流れこんでくる。俺闇属性持ってるから美味しい!でも、人間は食べれないだろうな~魔力が濃すぎる。わざわざ俺のために持ってきてくれたのかな?


「どうだ?」

「キュウ!(美味しいよ!)」

「そうか・・・・(可笑しいな、食べてしまえば龍でも眠ってしまう程の強力な睡眠を誘う果実なんだが)」

「キュキュ・・・・(お腹一杯になったし、眠くなってきたな~)」

「・・・・眠そうだな(効いてきたか)」

「キュ~」

「寝てもいいぞ。俺が運んでおいてやる」


 う~ん、みんな楽しそうなのに俺だけ寝ちゃうのはな~でもお腹いっぱいで眠いし・・・・少し寝てすぐ起きればいいかバイロンの言う通りにおとなしく寝ることに、おやすみ~


「やっと寝たか・・・・よし、お前ら準備しろ」

「「おう/分かった」」

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