SAVIORS―セイビァーズ―
火下創弥
プロローグ
――――――――――その日は確かに『冬』だった。
暑い。溶けそうだ。
少女はそう感じていた。
理由は明白だ。周囲を見渡すと四方八方青い炎が立ち上っている。
そこは一軒の民家。一般的な、ごく普通の少年の住んでいる民家だ。
そこには不相応な光景が広がっている。
粉々になったテレビ、焼け焦げたテーブルや柱、窓ガラスの破片が散乱した床。
その床にはその民家の住人である少年が転がっている。
そしてその頭を踏みつける足。
踏みつけている青年の腕から血が滴り落ちているのが見える。
ぼうっとそれを眺めていると、青年が少女に気付いたようでゆっくりと振り返る。
『その時、鏡に映った姿はどこか懐かしさを感じた』
振り返ると青年は頭部からも出血しているのが分かる。結構酷い怪我をしているようだ。
大丈夫か、と声を掛けようとして躊躇する。
……この青年こそが『不相応』な原因ではないのか?逃げて警察にでも通報するか?
考えを巡らせていると青年は言った。
「これで分かっただろう。これが『答え』さ」
「僕が『救世主』だ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます