第105話 ×××しないと出られない部屋
"×××しないと出られない部屋"………だと……………!?
空中に固定されたプラスチック製っぽい看板に書いてあった衝撃的な文字に、俺とイナリは呆然と立ち尽くして動けない。
どれくらいの時間が流れただろう。
突然はっ!と我に返った。
なっ、ちょ、は…………………え!?
慌てて周りを見回すが、もはやツッコミ所が多すぎて何から言えば良いのか全く分からない。
そもそもあの謎の踊りの時点で既に頭がこんがらがりすぎておかしくなりそうだったのに、追加でこんなの見せられたおかげで脳がオーバーフローしそうなんですが。
とりあえずまぁ言いたいことは色々あるが、まずなんでこのネタを知ってる?
しかし、そんな俺以上にやばい人が後ろに約一名。
さっきから聞こえないふりをしていたが、何やら己の妄想を呟いてぐへへ………と、ニヨニヨした笑い声が口から漏れ出している。
後ろを振り返ると、ヨダレを垂らしながらくねくねして妄想に浸っていたイナリと目が合う。
途端に耳としっぽがピンッ!と伸び、頬を真っ赤に紅潮させて勢いよくそっぽに目を背けた。
き、気まずい……………。
ちらちらとイナリの視線を感じる。
「えっと、その…………こ、困りましたね〜!」
「ん、そうだね………………」
"困った"とは言っているものの、耳がピクピク、しっぽがブンブン振られていて喜んでるのが全く隠せていない。
たぶんこの絶妙な雰囲気さえ無ければ、今すぐ襲いかかって来てもおかしくないくらいには興奮しているのだろう。
目が完全に劣情にまみれてる。
さっきから時々、下腹部に視線を感じるのも気のせいじゃなさそうだ。
やばい、このままじゃケモノと化したイナリに性的に食べられてしまうのも時間の問題……………………ってあれ、別に逃げなくていいのでは?
あまりにも突然で謎すぎる出来事に混乱していた頭が冷静になるに連れ、わざわざここを脱出しようとする理由が見当たらないことに気づいた。
前までならまだしも、もしかして告白後の今なら何ら問題無い……………?
「あーあー、聞こえるのだ?」
「あ、ノエル」
現状を確認して、はてと首を傾げていると。
上の方からノエルの声が降って来ると共に、紫色のモヤを背景にプロジェクターでやったような映像がヴンッ!と映し出された。
なんかここだけ見ると闇のゲームの主催者みたいになっとる。
「ノエルさんや、これは一体…………?」
「文字通りなのだ!今から二人には"ピーー"をしてもらうのだ」
「はぇぁ!?そ、そんな、まだ心の準備が………!?」
「にしてはすっごい嬉しそうな顔してるね…………」
やっと待てが終わった飼い犬のように、ちぎれるんじゃないかと思うくらいしっぽをブンブン振りまくり、嬉々として浴衣を脱ぎ始めるイナリ。
浴衣をポイッと投げ捨てて全裸になるのが速いのなんのって。
もはや羞恥心なんぞ欲望の前では塵のように軽いのか、イナリのはぁはぁする吐息でどっかに吹っ飛んでしまったようだ。
露天風呂ではあんなに恥ずかしがってたのに、今ではむしろ見てと自分から見せつけてくるほど。
くっ、さすがはケモ耳巨乳美少女……………なんてえっちぃんだ…………!
これには俺の理性も大ダメージ。
内心では理性と欲望がギリギリの
時折、若干優勢な欲望側の愚息が「準備万端です!」と揺さぶってくる。
えぇい、黙らっしゃい!
さすがにノエルが見てる真ん前でおっぱじめる訳には行かんでしょうが!
主張の激しい愚息を殴り飛ばし、何とか理性を保つ。
しかしそれも結構限界だ。
ふとした瞬間にぷっつんしてオオカミさんになってもおかしくない。
だからイナリ、胸を持ち上げて強調しないで!
しっぽをフリフリしながらおしりもフリフリしないで!
お願いだからちょっと大人しくしてて!
「あ、言い忘れていたが、二人が満足するまで出られないからな。頑張るのだぞー!」
「「え?」」
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