#6 焦熱地獄

悪魔「ふっふっふ、愚民どもよひれ伏せーい! オラオラァ!」


悪魔「悪魔っ子シエルの【地獄を作るよ】チャンネルー♪ 第6回!」パフパフー


 <なんかいつもよりオラついてる>


悪魔「こないだのタン祭りのことなんだけどね」


 <パン祭りみたいに言うな>


悪魔「半生だったのがあったみたいで、ちょっとお腹下してました」


 <アホスwww>


 <ほんとに悪魔かwww>


悪魔「お前たちはタンを食う時にはちゃんと火を通せよ!」


 <通してるよwww>


悪魔「人間のだぞ?」


 <牛のだよwww>




悪魔「すごく新鮮なタンのはずだったんだけどなあ」


 <生きたまま切り取りたてホヤホヤだったからな>


 <針が不衛生だったんじゃない?>


 <前に誰かを刺したままにしてたのを使ったとか>


悪魔「……」ギクゥ


 <心当たりがある顔だな>


悪魔「……」


悪魔「お前たちは舌に針を刺す時には、ちゃんと消毒してからにしろよ!」


 <そんなシチュエーションは一生来ねえよ!>




悪魔「さ、気を取り直して、今日は『焦熱しょうねつ地獄』だ!」


 <また熱そうな名前だ>


悪魔「ここに来るのは、虚言癖に加えて邪教を広めたりするやつだな」


 <カルトの教祖とかか>


 <人死にが出てるカルト教団のやつら、みんなここに堕ちればいい>


悪魔「今回結構ね、SNS映えします、ワクワク」


 <映える地獄とな!?>


 <モザイクしか見えないだろ!?>




悪魔「さ、ここまで来たらもう、みんな悪人も悪人」


悪魔「救いようのないクズばっかですが」


 <まあ殺生してる時点でクズだな>


 <さらに淫行で盗人で酒乱で虚言で邪教?>


 <クズの特盛>


悪魔「えーまず、あっつあつのプレス機でせんべいにします」


プシュー


 <いつも通り流れるような拷問>




悪魔「漫画みたいにきれいにせんべいにはならないね」


 <今日も安定のグロさ>


 <せんべいっていうか平らな肉団子>


 <グロ耐性ついてきた気がする>


悪魔「串で刺してー」


ブシュッ


悪魔「焼き鳥のように焼きます」


ジュウゥゥゥゥウウウ


 <やっぱり今日もお料理教室じゃないか!!>




悪魔「ここで、特殊な火釜を用意します」


 <いつもより火の勢いがすごいな>


 <色も違う気がする>


悪魔「今日の火はすごいよ?」


悪魔「今までの火なんか、これに比べたら雪みたいなもんらしいよ」


 <雪www盛りすぎだろwっうぇっうぇwww>


悪魔「ここに放り込んで、しばらく待ちます」


悪魔「もうちょっとしたら映えるポイントだからね」


悪魔「スクショチャンスを見逃すなよー」


 <こんなん載せたら垢BANされるわ>




ゴォォォォォオオオオオオオッッッ


悪魔「はい来た! 今日の映えポイント!」


悪魔「全身の穴という穴から火を噴いています!」


悪魔「花火みたいで綺麗でしょー! フゥー!」


 <ドン引き>


 <きたねえ花火だ!!>


 <その台詞を実際に聞くことになるとは>


 <これを嬉々としてSNSに上げてるシエルたそ想像すると辛い>


悪魔「……あれ……不評?」


 <逆になぜ好評だと思ったのか聞きたい>


 <小一時間問い詰めたい>




悪魔「えー、今日は、まあこんな感じで」


悪魔「今度はもっと頑張ります、ごめんね」


 <反省しているシエルたそは可愛い>


悪魔「みんな盛り上がってくれると思ったんだけどな……」


悪魔「もっと派手なのがいいのかな……」


 <その方向性は間違ってます!>


 <えっちなおねーさんが出たときが盛り上がりのピークだったんじゃないか>




悪魔「次は派手なんだけど、ある意味地味なんだよな……」


 <シエルちゃんが頑張っている姿を見に来てるんだから、地獄の内容は何でもいいよ>


 <なんならグロい映像なしでシエルたそのお喋りだけでOK>


 <逆に天国作ってみるのはどうだろう>


 <質問に答えるコーナーでもいいよ>


悪魔「みんな優しいな」


悪魔「とりあえず区切りまで作ったら、そういうコーナーもやってみようと思うよ!」


悪魔「これからもよろしくね! では、さらばじゃー!」


 <愚民って呼ばれなかったぞ>


 <反省して若干丸くなったシエルたそ萌え>


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