#5 大叫喚地獄

悪魔「ふっふっふ、愚民どもよひれ伏せーい!」


悪魔「悪魔っ子シエルの【地獄を作るよ】チャンネルー♪ 第5回!」パフパフー


悪魔「いやー、早いもんで、もう5回ですね」


 <こないだの最後ちょっと怖かったんだけど>


悪魔「えー、じゃあ前回の続きを作っていきたいと思いまーす」


 <無視かい>


 <口調がゲーム実況っぽいな>


悪魔「次はね、『大叫喚だいきょうかん地獄』となりまーす!!」パフパフー


 <え、前のとほぼ一緒じゃね>


 <名前似てるな>


悪魔「前回と名前が似てるけど、また別のものなんだよー」




悪魔「ここに連れて来られるのは、まあざっくり言うと『嘘つき』だね」


悪魔「詐欺とか虚言癖とかは、気をつけなさいよ」


悪魔「今回の地獄も結構きついからね」


 <地獄っていうくらいだしどれも大体きっついよな>


 <大体グロいしな>


悪魔「あ、安心してね、今回はあまりグロくないよ」


悪魔「ベロがズタズタになったり目がなくなったりするくらいかな」


 <「あまりグロくない」の概念が壊れる>




悪魔「嘘つきは閻魔様に舌を抜かれる、なんて言うけれど」


悪魔「この大叫喚地獄ではわりとそれに近いことが行われるね」


悪魔「はい、まず嘘つきどもの舌に針を刺していきまーす」


プスプス


『オァァアアアアアア!!』


 <断末魔がきっつい>


プスプスプス


『ァッァァァァアアアアッッッ!!!!』


悪魔「ここはあんまり道具がいらないのでエコな地獄です」


 <エコな地獄とかいうパワーワード>




悪魔「はい、いい感じに針をたくさん刺したら、切り取ります」


バツン


『……ッ!! ッ!!』


 <もはや声にならない悲鳴>


 <ここ凄い怖い>


悪魔「いやあ、いい舌ですね。美味そう」プルプル


 <やめろ牛タンが食えなくなる>


悪魔「せっかくなんでね、何人分かまとまった舌が手に入ったら、美味しく頂きましょうね」


 <このチャンネル、お料理教室しかしていない気がするが気のせいか>




悪魔「はい、ずらりと並びました、嘘つきどもの舌でーす」


 <ヴォエ!!>


 <グッッッッッロ>


 <モザイクかけろ>


 <「今回はあまりグロくない」とかいう純度100%の虚言>


 <シエルたそは大叫喚地獄に落ちるべき>


悪魔「まずはベタに、塩胡椒で焼いていきましょうかね」ジュウジュウ


 <ちゃんと血抜きしろよ>


 <そういう問題か?>


 <焼くときの箸と食べるときの箸は分けろよ>


 <そういう問題か?>




ジュウジュウ


悪魔「うん、いい匂いがしてきたよー」


 <人間焼いてたのに比べたら、まだ平和じゃね>


 <感覚がマヒしてきた>


悪魔「レモンをかけるのもいいね」


 <レモンはやめとけ、がんもが嫌がるから>


 <がんもに食わせようとすなwww>


 <タンシチューなんかも好きなんだけど>


 <煮込もうとすなwww>




悪魔「明日は人と会う予定がないので、にんにくもいっぱい使っちゃうよー」


ジュウジュウ


 <やばい、火が通ると旨そうに見える>


 <……分厚いタンとか最高じゃないか>


 <うちの地元のタンはもっと分厚いぞ>


 <牛と比べてマウント取ろうとすな>


悪魔「よっし、いただきます!」モグモグ


 <……ありだな>


悪魔「うめー!! 嘘つきどもの肥えた舌うめー!!」モグモグ


悪魔「ビールも開けるべきだなこれは!」プシッ


 <なんのチャンネルだったっけコレ>




悪魔「あー、ごちそうさま!」ゲフゥ


悪魔「ほんとはこのあと目もくりぬくんだけど、めんどいから今日はここまで!」


 <これがほんとの目玉料理?>


 <うまいこと言おうとすな>


 <血液がサラサラになるな>


 <DHA摂ろうとすな>


悪魔「今日はなんだかコメント欄が活発だった気がするなあ」


悪魔「仲良しだね君たち」




悪魔「今日のまとめ!」


悪魔「嘘つき人間の舌を食べるときは塩胡椒ににんにく、ネギ、あとビールがお薦めだぞ!」


 <参考にしたらあかんやろ>


 <牛ので我慢します>


悪魔「じゃ、そういうことで、また次回!」


悪魔「愚民ども、さらばじゃー!(キメゼリフ)」


 <この挨拶も慣れてきたな>


 <さらばじゃー>


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る