#4 叫喚地獄

悪魔「ふっふっふ、愚民どもよひれ伏せい!」


悪魔「悪魔っ子シエルの【地獄を作るよ】チャンネルー♪ 第4回!」パフパフー


 <その口上、気に入ったのか>


悪魔「こないだ、誰だ最後の挨拶の時に『ダッサ』とか言ったやつはー!!」バンバン


悪魔「私は気に入ってるんだぞ!!」バンバン


 <シエルちゃんが気に入ってるならOK>


 <ディスったバカは天国に行くから安心して>


悪魔「ちょっと待って、地獄に来たがるなよお前ら? ちゃんと天国行く方がいいからね?」


 <シエルたそに会えるなら地獄がいい>


悪魔「ダメだからね? 地獄怖がれよ?」




悪魔「えー、いつの間にかもう4回目ですね」


悪魔「今日は、ばばん! 『叫喚きょうかん地獄』でーす!」パフパフー


 <ちょっと聞いたことある気がする>


 <阿鼻叫喚あびきょうかんの叫喚?>


悪魔「大きな声で叫ぶってことですかね」


 <今までも十分すぎるくらい叫び声上がってたけど>


 <じゃあ阿鼻ってなんなんだ>


悪魔「あ、阿鼻地獄もちゃんと別であるんだよ」


 <阿鼻ってなんなんだ>




悪魔「えー、ここに来るのは、お酒で失敗した人ですね」


 <心当たりがありすぎる>


悪魔「あ、もちろんあれね、『殺生』が前提だからね」


 <心当たりがありすぎる>


 <嘘つけwww>


悪魔「えー、今日はですね、珍しく人間がバラバラになりません」


 <驚きのグロなし>


 <未成年も安心してご視聴いただけます>


 <PG-12くらいかな>


 <親とこれ見てる小学生やばすぎるwww>




悪魔「さて、ここに用意しました巨大フライパン」テロリン


 <フライパン出てきちゃった>


悪魔「これで人間どもを焼きます!」


ジュウウウウウウウウ


『ぎゃああああああああああ!! 熱い!! 熱い!!』


悪魔「強火にしていくよー」


ジュウウウウワッワワワワッ


『アアアア――――ッ!!!!』


 <バラバラにならなくても十分グロい件>


 <皮目から焼くといいと思うよ>


 <サイコが一人いるぞ>




悪魔「いい感じに火が通ったら、今度は巨大鍋に移します」


 <またお料理教室やんけ>


ぐつぐつぐつぐつ


悪魔「煮込みます」


『アッ――――!! ガッ――――!!』


 <またがんもに食わせるとかしないだろうな>


 <人間の煮込み、十分グロい>


 <R15くらいだったな>


悪魔「R18だよバカ!!」




悪魔「地獄に来た人間はなにをやっても死ねないので、この苦しみがずっと続くんですね、怖いですねー」


悪魔「こんなふうに煮込まれたくなかったら、みんな、いい子にしとくんだぞっ!!」


悪魔「地獄来んなよ!!」


 <魚介類も足してブイヤベースにしよう>


 <いやビーツを加えてボルシチにするのがいいと思う>


 <サイコが二人いるぞ>


悪魔「ブイヤベース食べれなくなるだろ! やめろ!」




悪魔「これをだいたい800兆年繰り返します」


 <キューピー800兆年クッキング>


 <気が長い番組だな>


 <8倍ずつ長くなってんのか>


悪魔「あとはね、溶けた銅を喉に流し込んだりもします」


 <ぐえっ>


 <この地獄は熱いのばっかりだな>


悪魔「そうそう、だから叫喚地獄は全体的に熱いんだよね」


 <暑いのならもっと薄着になるといいよ>


悪魔「ば、バカ野郎!」




悪魔「えー、はい、今日はこんな感じで」


 <おつー>


悪魔「ちょっと気になることがあるんだけど」


悪魔「今日の視聴者の中に、なんかマジで地獄行きのやつが一人紛れ込んでるっぽいんだよね」


 <え?>


 <……え?>


 <wwwwwwwwwww>


 <そんなのわかるんだ>


 <おいおい誰だよ悪人は>




悪魔「……善行を積めとは言わないけど、ちゃんと天国行けよ、マジで」


悪魔「命は粗末にしないように」


悪魔「じゃ、そういうことで、また次回の配信もよろしくね」


悪魔「愚民ども、さらばじゃー!(キメゼリフ)」


 <ダッッッッいや言うのはやめておこう>


 <一周回って逆に可愛い>


 <……>


 <……>


 <誰のことだったんだろう……>


 <考えるのはやめとこうぜ>


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