第5話

私の村の近くには森がある。そこには綺麗な湧き水が流れる川や、美味しい果実、鮮やかな花が咲き誇り、この世の楽園のような所だという。

しかし、村の誰も入ろうともしない。入るとすればよそ者か、脳みそがない奴のどちらかだと言われるほどだ。村の人達が云うには、森には恐ろしい竜が住み着いていて入ろうものなら、二度と帰ってはこれないらしい。その竜は恐ろしく強く、魔物はおろか、同じ竜ですら彼を恐れ森には入ろうとしないらしい。

何年か前に村に立ち寄った、勇者の一行がその竜を退治しようと森に入ったらしい。しかし、彼らはいつになっても帰ってはこなかった。

それ以来、森に立ち入るのは村の禁忌となってしまったのだ。だが、たとえ禁忌であっても私には入らなければならない理由があった。たとえ竜に殺されることになっても....

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@Nendoll

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