主人公は、乙女ゲームの悪役令嬢に転生したヘラ。高貴な彼女は、何回もデスループをする宿命らしく、打ち首で死亡した後、突如『一生のお願い(106回分)』の隠しコマンドが追加されます。多分、生き死にを繰り返した賜物かと(笑)
一応107回以上も、凄惨な死を繰り返してるのにも関わらずヘラは、お気楽なキャラクター造形をしています。どんな展開も、イベント消化感覚で進行していくので、いつの間か読者も単純作業が如く、彼女と共に物語を追っている錯覚を起こします。これがこの作品独自の魅力と言えるでしょう。正直言って、このシナジー力はすごいです。
さて、一生のお願い(106回分)となると、ストーリーのスケールが大きくなりそうなものですが、短編として綺麗にまとまっています。衝撃的な一生の願いの使い方と、結末は是非作品を読んで、その目で確認して頂きたいのですが、なかなか斬新な肌触りの展開をしていますよ。ありふれた『救いを求めた懇願』に飽きた方に、この作品をオススメします!