第31話:ブローチとお茶会

この日においては律子は手芸部では簡単に自作の手芸の出来をカメラで撮影して、早々に日常研究会に行くつもりであった。本日としてはデザイン研究部に置いての合同お茶会であった。律子としては楽しみで、自身の出来を皆に見てもらうつもりであった。咲子も正洋のハウリング・ロアの撮影の付き合いで送れるが、向こうはさほど時間がかからないだろう。その日の手芸部においてはいつも通り、律子よりも先んじて悟が椅子に着席していた、律子はそれに気づくと挨拶をする。


律子「悟君、おはよう。いつも早いね、おはようって変かな、あはは」


着席している悟はすこし緊張しているかのような面相で律子を見ている。


律子(??いつもなら何かに集中しているけど、なんだろ。緊張してる)


律子「何?悟君?緊張してる?」


悟が照れくさそうに右手で後頭部を掻く


悟「あれ?わかる?実は渡したいものがあって」


律子「??私に?なにかな?」


悟「これ?なんだけど・・・」


そういって悟は足元の紙袋を差し出す。受け取る律子


律子「何?これ?開けて言い?」


悟「どうぞ?気に入るかな?何点かあるよ」


そういって律子が紙袋を開けると、中には緩衝材いわゆるプチプチ、正式名称気泡緩衝材にくるまれている物体がある。手に持ち

その梱包を開けそれを見ると律子は目を見開く。


それは、ブローチであった。素材は木製だろうか、綺麗に彩色もほどこされている。服飾に留める金属部も固定されたものであった。


律子「ええ?すごいこれ?え?これ何?くれるの?ええ、でもなんで?」


悟「ほら、以前からコスプレ衣装のお願いとかされてたからさ、服じゃないけど装飾品を試しに作ってみたんだ。気に入るかな」


律子は動揺して思考が巡る


律子(ええ?とこれどういう意味、ん?私にプレゼント?でも何点?かある。あれれ?)


律子「ええと、これは全部なの?」


悟「??いや。みんなの分だよ」


律子「みんな?」


悟「そう、咲子さんや美子さんと、あのあれ、話に聞いている日常研究会の女性達の分、イメージ膨らませて作ってみたんだ。集中しちゃって」


律子「え?ああ、みんなの分ね。でもいいのかな。こんなにもらっちゃって」


悟「いいんだ。もらってくれて喜んでもらえると僕としてもうれしいかな。大丈夫、家の余分な木材で作ったものだから」


律子「そ、そうなの?あれ?ええと私もういかないと」


悟「そう?」


律子「そう、日常研究会で約束が、でもありがとう。みんなに渡すね?お礼も近いうち!!」


悟「そう、じゃあ僕は今日は何をつくろうかな」


律子は多少動揺しつつ、悟に礼を言い、手芸室をでたのであった。その時には自身の制作物を撮影することをわすれていたがまたの機会として今は、手にもった紙袋に関心がむかっていた。


律子「あわわ、もらっちゃったけど全員分かぁ。変な意味じゃないんだねぇ。勘違いしちゃう。まったく」


日常研究室では美子はだらしない姿勢で雑誌を眺めている。咲子はでに来ており、パソコンで何か作業をしている。上級生も皆そろっていた。律子は入室すると挨拶する。


律子「おはようございます。」

美子「うーっす。」

咲子「律子、なにその紙袋」

律子「いやぁそれがですねえ。もらっちゃいました。手芸部で」


影山「手芸部?人形作りの君かな」


律子「あ?わかります。そうなんですよ。多分ここの女性達全員分」


理恵「?それって私たちも?何?」


律子「みましょう、大事なんで一つずつ取り出しますね」


そういって紙袋から気泡緩衝材に包まれた物をとりだす。


一つ一つ机に置かれる。全部で5つあった。


南雲「なにかしら?私もなの?」


律子「それじゃあ開けますか」


美子「お?悟だろ、こんなん。これわたし」


それぞれが手に掴み、緩衝材の梱包を開ける。


それはそれぞれデザインの異なった木製のブローチであった。


美子「うわ、なにこれ。綺麗じゃーん」


南雲「なにこれ?もらいもの?高くない?」


律子「作ったそうです。ハンドメイドですって」


理恵「作った?これを?例の五条君?」


律子「そうでーす、勘違いしそうになっちゃった」


咲子「うわぁ。綺麗、色も塗ってあるんだあ」


影山が興味ありげに首を出す。


影山「何々?あの二ッチ、何をつくったのよ」


何?にイントネーションを置いた話し方だ。


美子「手芸君さぁ。これうれしいけどさぁ、いいのかよこれ」


律子「家の木材でつくったって、大丈夫だって」


南雲「デザイン、一つ一つ違うわね。皆はどんな感じ」


それぞれが手にもったブローチを見せ合う。確かに、全てがデザインが異なり彩色もされている。


咲子「すごいなぁ。つくったんでしょう?デザインも違う?これくれるの?みんなに?」


南雲「どれがいい?みんな?どうする?」


理恵「最初に手に取ったのにしましょうか?」


美子「いいよ、あたし。これか」


律子「私もそれでいいです」


それぞれが最初に手に取ったブローチを眺める。皆、気に入ったかのように目を細める。


咲子「つけてみよっと」


美子「お?いいね。撮ったろ」


そうしてそれぞれがブローチを制服につけて、撮影を行う。皆きにいっているようであった。特に影山の目が光ったかのような

感じを律子がし、全員分を撮影している。個人というよりブローチ自体をフォーカスしたかのようだ。


南雲が切りを付けるように言う。


南雲「それじゃデザイン研究部にいきましょうか。お茶会でしたっけ?」


美子「飲み、じゃないの」


理恵「成人じゃないんだからこらこら」


そうして研究室の面々でデザイン研究部に赴く、部のメンバーは全員そろっており、迎えられる。


すでにお茶会の準備はそろっており、中心に集められた机にはペットボトルの飲料水とお菓子がならべられている。


福山「お?来たね」


佳村「はいはい、今日はお楽しみね。山田君。人数分の席つくろうか」


山田「はい」


影山「やあこんにちはデザイン研究部のみんな。今日は歓談といこうか。」


半田づけをしている浩二が顔を上げ、影山をみる。


浩二「お?きたね影山君。何かうれしそうだね」


影山「いやね。ここに来るのも好きだけど。さっき予想外のことがあってね。これがよくて」


浩二「??なんだ?あれ?なに首元のそれ、ええと女子全員」


南雲「もらっちゃったのよ、これ」


美子「律子の手芸部の悟ってやるに」


影山「いやー人形作りは手先がきようだね。これ全部デザイン違うんだぜ?」


浩二「手製なの?え?作った?デザインも違う?ちょっと見せて」


佳村「撮影会しようか」


咲子「えへへさっきもプチでしたんですよー」


それからデザイン研究部もまじえて撮影会がはじまった。それぞれブローチを首元につけている。


全員がそれぞれのスマートフォンで撮影をする。影山はブローチ自体にフォーカスを。以外によく前にでていたのが浩二であった。


デザインと手芸としての出来を確認させてもらう。驚いているかのように沈黙している。


浩二「いいね。これ、影山君のすきな二ッチなの?」


影山「有望だよ。人形造り二ッチかな。自宅がそうらしい」


浩二「なるほど、名前は」


律子「五条君です。五条悟君」


浩二「へぇ・・・」


撮影会から始まりデザイン研究部の面子とお茶をする面々。話は盛り上がりそれぞれが歓談を楽しんだかのようであった。

それぞれが意気投合したかのように話が盛り上がる。山田は多少遠慮したかのように静かにしている。

交流としては美子と浩二がよく話、意外に馬があうかのようであった。影山はデザイン研究部の面々の話を聞いている。また自身の嗜好として

注目としては微小であることに情念をかける人材への興味をかたる。決して変人が好きではないと念を押す。

皆、お茶会をたのしんだかのようであった。浩二も話のついでで、現在の開発のプランを話しいてる。単語として燃料電池とでたが、だもれ注意せず話がすすみかけたが。美子が口を挟む。


美子「えー燃料電池かぁ、銃とかつくれそ」


浩二「銃」


美子「いや違反するけど、スタンガンとか。つくれんじゃね。あとはそれを動力源にしたりとか。兵器?っていうの?」


浩二「そうだね、それはおもしろそうだ」


下校時間も大分すぎ、その日は少ししてお開きになった。日常研究会の面子は一度部室に戻り荷物を取り帰宅につく。


デザイン研究部は、通路としては途中にあり、扉が開いていたので歩行の最中、咲子は顔を向ける。部内では浩二が一人で思案しているかのようであった。



その日の午後、悟は自宅の人形屋において自室の布団で横たわり、休憩をとっていた。親は現在いない、地方の人形展覧会の準備に追われているという。仕事は順調だろうかと思案していたときであった。店に着けられたインターフォンが鳴る。時刻としてはまだ閉店時間ではない、それほど大きな店ではない。常駐の店員もいない。悟が、身体を開け対応のために店先にでる。そこには学生服をきた。浩二が立っていた。


悟「お客さまですか?」


浩二「いや、すこし違います」


悟「え?」


浩二「あなたが五条悟君?」


悟「ええ?そうです。何か?」


浩二「同じ高校の上級生だよ。あいさつに来た」


悟「え?」


浩二「お茶しないかい?」



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