第12話:日常研究会の活動とそれぞれの二ッチ3

影山が咲子達の石坂正洋という少年に対しての話を聞くと口を開く。


影山「ニッチ分野は論文かぁ。その話だとQRコードがあるわけだけど、持ってるの?」


咲子「ありますよぉでも真面目に書いてるんだから馬鹿にしちゃだめですよ」


影山「内容次第かなぁ、いい?見せてもらっても?」


律子「まあ、当人も読んでほしいって言ってましたしね」


美子「いいんじゃね?石やん、その辺おおらかでしょ」


咲子が鞄に手をいれて手探りする。筆記用具入れを取り出すと、ジッパーを開いて中からカードを取り出す。

正洋から貰ったQRコードだ。三人としてすでにQRコードに添付された内容は読んでいる。


咲子「どうぞ、影山さんすきかなぁ、これ二ッチ」


影山「どれどれ」


南雲「どんな感じなの?その、論文?」


美子「うーん、まあいんじゃね?って感じかなぁ、石やんも変なことしてるなぁって感じ、まあ真面目な奴だけどさぁ」


律子「実際にやったと考えると面白いです」


影山がQRコードをスマートフォンで読み取って内容を確かめている。律子のように画面を水平にはなかく、真正面から見ている。特に警戒は内容である。


影山「ふんふん、添付ファイルは二つか。」


内容を読んでいるのか沈黙が続く。その間、咲子が南雲に記載した活動報告を見てもらっている。美子は適当に身体をゆらしながらタイプをしている。律子がのぞくと一人称てくだけた調子の文体のようであった。美子はコンピューター室だったはずであり、過去の活動報告のデーター化をしている頃だろうか。手伝いに行った方がよいか、影山の沈黙により暇ができつつある律子は考えていた。


律子(うーん、影山さん好きかなぁ、石坂君二ッチ)


影山「いいね!いい二ッチ」


影山の口調が明るい。律子は最近になって、影山の嗜好がわかりつつある。面白い人間が好きなようだ。特に希少価値があると尚、楽しそうにしる。日常の最中にふと見やる、非日常としての要素に楽しみを見だしているかのようである。


影山「いやぁ、写真も添付してあるしフルカラー!データだしね。実際にやってるんでしょ、これ!」


美子「やってんじゃないかなぁ、このビラ配りとカード配り。」


咲子「現場見てみたい気もしますね」


影山「うん、これは・・・よくないか、提携する?」


南雲「提携って何、影山君。」


影山「いや、この二ッチと提携して添付されてるデータのデジタル販売とか?売れる?か?いつか誰かが買ってくれるかも」


美子「石やん、なんて言いますかね。聞いてみないと。」


影山「話を聞く?いいね、この二ッチ。」


美子「じゃあこんど話してみるか、内容はどうです?」


影山「うん、論文てのがどんなレベルかわからないけど、いいんじゃない?これ?ページ数は少ないしラノベとも違う。我々の活動報告も参考にするべきかなぁ」


南雲「良いの?私にも見せてね影山君」


影山が読み込みにつかったQRコードを南雲に見せる。自分のスマートフォンで読み込む南雲。片目をつぶってスマートフォンを水平にして確認をしている。


美子「あぁ~大丈夫すよ。エロくはないです」


南雲「まぁ、一応ねぁ」


影山「この二ッチの資料は後で、確認するとして、他にも二ッチいるんでしょ?誰だっけ?」


律子はすでに疑問に抱いているが、影山は非日常としての人材に面白みを求めているかのようにも見える。


咲子「えーと、次なる非日常としての人は、五条君?」


律子「五条君かぁ、まあちょっと内気なところがありますけど、器用でしたよ、結構変わってるかも」


影山「ほうほう、何二ッチだっけ?」


律子「二ッチって・・・人形作り二ッチですよ」

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