運付き太郎
あくごうろん
第1話
昔々あるところに運月太郎という者がいまし
た。運月太郎はそれはそれは強運の持ち主で、村の人々のためにその運を使っていました。ある時は、水不足の時に雨を降らせ、またある時には、いなくなった愛犬を見つけ出すなど、村の人々に大変喜ばれていました。そのため、運付き太郎と呼ばれていました。そんなある日運月太郎の元に一人の男がやってきました。その男は、自分はボランティア団体の一員であると言い、運月太郎に「あなたが、強運の持ち主の運月太郎さんですね。」と言いました。運月太郎は「はい。」と答えると男は、「あなたの強運を是非困っている人に使いませんか。」と言ってきたのです。運月太郎は、人を喜ばせることが好きでいつも人の役に立とうと思っていたので、その話を快く受け入れました。そして、毎日毎日、人々を助けていました。ところが、ある日夢の中に神様が現れました。神様は、運月太郎にこう伝えました。「今すぐにこの団体から出なさい。この団体はボランティア団体ではありません。カルト宗教という宗教で、お金を騙しとっているのです。」と言われました。しかし、運月太郎は神様に「そんなはずはない人を助ける良い人たちが、お金を騙しとるはずはない。」と反論しました。そして、人々を喜ばせていると、ある日から運がなくなってしまったのです。生まれて一度も運の尽きたことの無かった運月太郎は焦りました。そして、周りから運尽き太郎と言われるようになったのです。そうしたある日、運月太郎が寝ようとした時に、ある会話を耳にしたのです。「今日もよく儲かった。人はどうしてこんなにも簡単に騙せるのだろうか。」と喜んでいる前には大金が積まれています。運月太郎は驚きました。神様の言っていたことが正しかったのです。それを見た運月太郎は、夢で再び神様が現れました。そして神様に運月太郎は、「神様、申し訳ありませんでした。私の間違いでした。私が皆んなを救うために運を戻していただけませんか。」と言うと、神様は「分かったのなら良いだろう、そなたは運を使って皆んなを助けて出しなさい。」と言った。運月太郎は起きると、信者たち一人一人に手紙を渡した。そして、皆んなを集めると運を使って、カルト宗教の人を倒し、お金を皆んなに返させた。皆んなは喜んで運月太郎にお礼を言った。運月太郎はその信者の中にいた同じ歳くらいの娘で仲良くなり、結婚し、その後も村の人々のために運を使いみんなで仲良く暮らしたとさ。
運付き太郎 あくごうろん @akugouron
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