第七話

「天地よ砕けて散れ。森羅万象に滅びあれ」


 術式が完成する。


真炎しんえん紅蓮奉華ぐれんほうかッ!」


 一瞬のうちに、巨大な蜘蛛が燃え上がる。だが、その燃え上がった蜘蛛は姿を消し、その蜘蛛の後ろから、五体満足な新しい大蜘蛛が現れた。


さい!」


 彼岸花の術式が再度炸裂する。だが、結果は同じ。


「再!」


 結果は同じ。


「再ッ!」


 同じだった。


「さ、い……あっ!」


 大蜘蛛が口から放出した糸が一瞬のうちに女を絡め取り、そして、大きく開かれた口の中で、その身体はばらばらに砕かれた。ごくん、と、いう風に、蜘蛛はそれを吞み込んだ。

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