幕間 鳴動する意志
異聞都市の外周、外苑区の企業群地帯より外側にはある意味でもう一つの都市と呼ばれる地帯が存在している。
通称、【
◇
「復讐に意味なんてあるのかな? 最近の私の悩みなんだ。だって私から大事なモノを奪い去っていった奴らを殺したところでこの都市は止まらないだろう? 結局は私の復讐も都市の血液になるだけ。どれだけ人を殺しても何も変わらないのが都市であるわけだし……君みたいな化け物になれば何か変わるかな? あれ、聞いてる? ……死んだ?」
《セレマ》
「ん? ああもしかして時間かい? 君は本当に時間にうるさいよな、ベート」
《何を仰る。私を貴方の時である事を定めたのは貴方自身ではないですか、セレマ》
「まぁそうなんだけど。ところでコイツはどう? 見込みありそう?」
《これは……ああ、異聞局の人間ですか。名前は────》
「名前なんかなんでもいいさ。みんな元の名前なんて捨てちゃうんだから」
《それもそうでした》
「で、コイツはどう?」
《ふむ、見込みは充分。ですが異聞局の人間ですか》
「不安かい? 古巣の人間と一緒というのは」
《いえ。少し感慨深いなと思いましてね。後は我々と呼応出来るか否か────》
「そうだね。仲間になれればいいんだけどな。あ、ところで他のみんなは?」
《もう動き出していますよ》
「なんだみんなやる気満々じゃないか」
《ええ、セレマの意志の下に集った者達ですから》
「はは! じゃあ私達も帰ろうか。これから忙しいからね!」
《はい、セレマ》
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