第24話   優しい嘘


☆☆☆ 休み時間 ☆☆☆



美羽に連れられて廊下のいつもの場所にやってきた。

 

目的はもちろん大野涼太を見るために、向かい側の7組の教室の廊下を偵察すること。


しかし、彼の姿は何処にも無かった。


「 残念、だからあたし達だけなのね、けれど、さっきの余韻がまだ残っているの…あ~!あの大野くんの透き通った声も爽やかで素敵! ああ!いいわあ! 」


もう美羽ったらあいつの声にまで恋しちゃってる。


「 大野くんの彼女になれたらあたし…しんでもいい… 」


「 もう!変なこと言わないでよ… 」


「 でも、絶対ムリだわ…叶わぬ恋なのよね〜 」


「 あきらめちゃうの? みうらしくない 」


「 だって、フラれる確率100%らしいからね 」


「 ふ〜ん…そうなんだ 」


「 やっぱりレモンも気になる!?」


「 べ、別にぃ 」


「 でも大丈夫!安心して!今のところ特定の人はいないみたいだから 」


「 ふ~ん… 」


「 ははぁ…檸檬も大野くんのこと好きになったんでしょ! 」


「 あるわけがない! 」


「 はぁ?… 」



 あんなやつ…



『 キンコンカンコン ♪ 』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る