第23話

「 大野!…… 」


またしても大野涼太が私の目の前に!


ねぇねーあの子 大野くんに声かけられたよ!?


大野くんのこと 大野って呼び捨てにしてるし!


しんじられな~い!だ〜れ?あの子


1組の子らしいよ、ゆずき みかん?とか言ってたかなぁ


大野くんにノート貸したらしいよ、それでじゃないかなぁ、知り合いっぽいような感見せてるの、でも、私達の大野くんにちょっと近すぎだよね、厳重注意が必要じゃない?


厳重注意って…こっちのセリフ、それに…


誰がみかんよ!私はレモンですぅ!…

まぁ同じ柑橘系だけど…


それにしても、ちょっと声をかけられただけで、こんなこと言われるなんていい迷惑!


やっぱり大野とは関わらない方がいい!


「 みう!いこ! 」


そう思いながら、階段を美羽と一緒に駆け上がっていたつもりが…


隣を見ても後ろを見ても美羽の姿が見あたらない。



『 それじゃ!… 』


『 うん!… 』



階段の下から美羽と大野の声?



「 うれしい! 」


ちょっとすると、ニコニコ笑顔の美羽が、息をきらしながら階段を駆け上がってくる。


「 みう? 」


「 聞いてよ! 今、大野くんに声をかけられたの!初めて彼とお話ししちゃったあ!ねぇ、どうしよう まだ胸がバクバクしてる あ~も~ヤバいい〜! 」


うわぁ…めちゃ嬉しそう…


「 そ、そう… …それで何を話してたの? 」


「 ん?…なんだっけ?…えと…ハハハ…真っ白になって…忘れちゃったみたい…ごめん… 」


「 ははは… 」


ほんとに彼のことが好きなんだね、けど、早く目を覚まして


ほんとの彼は…危険な痴漢男なんだから!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る