第19話


えッ?


今確かに!


私の声に混じって男性の声がした!


!?…


「 お邪魔しま〜す! 」


慌てて後ろを振り返ると…そこにいたのは…



うっそ!?



「 おッ 大野!? 」



し!…信じられない!!



何で大野涼太がうちにいるわけ!?



「 おかえりなさ〜い…お友達も一緒なの〜? 」



 お友達!?



 全然違うし!



普段は玄関まで出て来ないママが、正座をして待ち構えていた。


必死に彼の前に立って見えないようにしたけれど、無駄な抵抗だったみたいで、ママは身体を動かしながら、後ろの人をジロジロ観察している。


「 あら?男の子?…珍しいわねーへぇ~…

ふ〜ん…そう言う事…いらっしゃい、彼氏さん?かしら? ゆっくりしていってくださいね 」


何がそういうことよ!

 

てゆーか彼氏じゃないし!


「 ママッ!ち、違うってば!この人は!… 」


「 すみません、お邪魔致します 」


「 何言ってるの!?誰があんたなんか! 」


「 檸檬…せっかく来てくださった方に、いくら恥ずかしいからって、お客様にそんな言い方するのは失礼です…いけません! 」


恥ずかしいとかそういう次元の問題じゃない!


「 ちょっと待ってよママ!話を聞いてよ!この人は… 」


「 あの…ここで結構です、初めてですし…

柚子木ちゃ…すみません、檸檬さんの門限のことでお話があって来ました… 」


えっ…


「 門限?… 」


「 はい、あの、僕のせいで檸檬さん、昨日帰るの遅くなってしまったんです。すべて僕のせいなんです。ですので門限の件、撤回していただけないでしょうか? 」


えっ…


大野が土下座している…

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