第18話


☆☆☆ 放課後 ☆☆☆


「 隠しててごめんね 」


「 ううん、だってしかたないよ、大野くんが原因だったのなら、何も言えないよ… 檸檬? 今日は寄り道しないでね〜 バイバイ 」


「 わかってる!…バイバイ! 」


美羽は吹部の練習へ行ってしまった。


あ〜あ


ひとりで帰るなんてことなかったからなぁ、前に美羽が風邪で休んだ時くらいかなぁ

 

つまんないな〜


校門を出て少しすると、私の横に誰かが並んで歩きはじめた。


信じられない 


二度と近寄らないでって言ったはずなのに!


「 僕たち相性いいかもしれない 」


無視


「 一緒いい? 」


「 痴漢のあとはストーカーですか…… もう!いい加減ついてこないでよ! 」


「 僕の家もこっちなんだ、それに、君との約束を果たす義務もあるしね 」


「 とってつけたような義務なんていらない!嘘つき!それに約束なんてした覚えありませんよ〜だ… べ~ 」


ん!?…な、何よ!


「 ゆずきちゃんの舌ってかわいいね 」


はッ!?


「 みッ!見るなッ! シタフェチなんて聞いたことないッ!キモ! 」


もー!… 無視!


すると、今度大野涼太は真横にピッタリくっつき、私をジッと見下ろし始めた。


ん!?…


「 近い!!離れてよ! 」


「 かわいいね 」


え!?…


…かわいい?


「 嘘ばっかり!他の子にもそんな事を言って痴漢みたいなことしてるんだね  最低… 」


「 僕は嘘は言わない主義だから 」


「 それが嘘だってゆーの!」


奇襲で走る! 


はぁはぁはぁ…ここまでくれば…


早歩きの更に早歩きで家の近くまできた。


家を知られたらたいへんな事になっちゃう。


前を見ても後ろを見ても

左、右、異常な〜し!

よし!あいつの姿は無い!



もう大丈夫!…



「「 ただいま~ 」」



…!!?



「 え!? 」



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