第3話

お店を出ると帰り道を急いだ。


家まであと15分くらい、門限には十分間に合う時間だった。


美羽ったら気になる人がいるなんて、オトナしてる。


それに比べて私は何をしてるのかなあ、そんなに有名な人の顔すら知らないなんてね。


すっかり日も沈み薄暗くなった道を歩いていると、遠く後ろの方から靴音が聞こえてきた。


次第に大きくなってくる靴音、急いでいるような感じだ。


気になってうしろを振り向こうとした


その時!


「 …!!?? 」


ふッ!と身体が浮いたと思ったら誰かに抱き抱えられた!


えッ!!!


な! なに!!??


あまりの突然の出来事と恐怖感で声が出せなくなってしまった。


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