第2話


「 お待たせ致しました ブルーベリーパフェセットでございま~す 」


「「 わぁ! 」」


私、柚子木檸檬ゆずきれもんは南台高校1年1組の16才です。

部活帰りに友達の葉月美羽はづきみうと、おやつしながらお喋り、これが唯一の楽しみなのです。


「 うん!美味しい! 」


「 甘酸っぱいの大好き…… 」



『 ねえねえ! 聞いて聞いて! 』


『 どうしたの? 』


『 大野くん 見ちゃったよ…マジで目が合ったかも… 』


『 えーッ! いいなー … 』


後ろの席から聴こえてきた話に、美羽がピクンと反応した。


 おおの?…


「 どうしたの?」


「 シッ〜 」


なになに?


彼の話してる…

 

 彼?って?


美羽はパフェ用のスプーンを静かに置くと、少し顔を赤くしながら小声で囁く。


あたしらと同じ1年で、7組にいる…


7組?…


うん…


知ってるの?


推し推しの人だもん


オシオシ?…


一言で言えば学年一のイケメン!

告られ率ナンバーワン!

とにかくカッコいいの…


ナンバーワン?…


明日教えてあげる


『 ピポピポピポピポピポ… 』セットしておいたスマホのアラームが鳴った。


「 うん…あ、もうこんな時間、ごめんね美羽、私帰らなくちゃ 」


少しお喋りしてる間に帰る時間になってしまった。


我が柚子木家には門限があり、7時までに家に帰らなければいけません、それを守れない場合は部活を禁止にされてしまうのです、とにかくパパが厳しいのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る