第4話


必死に叫ぼうとした。


誰か! 助けてッ!


「 いッ嫌ッ!…ん!ぐ… 」


声を出そうとしたら口を塞がれてしまい


い、いやッーッ!離してッ!


がむしゃらになって男性の体を叩いた。


すると走っていた脚は止まり、男性の腕から私の体はゆっくりと降ろされた。


『 バンッ! 』


車のドアが閉まる音と


『『『 ……カツッカツッ 』』』


更に数人の走り寄る靴音が聞こえてくると、月明かりをバックに顔が見えない男性が私に近づき、いきなり抱きしめてきた!?


やめて!…ください…


『 カツッカツッ…カツッ… 』


靴音が近くで聞こえる、それも一人じゃない…


何がどうなってるのかわからない…


この人の仲間!?


私はどうなってしまうの?


こ…怖い…



『『 カツッ…カツッ…… 』』


「 何処だ!? 」


「 クソッ…この辺で見失った…」


「 うん?…おい!こっちだ! 」


男性の背後に数人の男性が、路地の入り口に立っているのが見える。


ごめん…


!?…ぇ!?


男性の吐息が私の口元にかかって


同時に数人の男性の姿が見え、こっちに近づいてきた。


次の瞬間


私の唇に…なにかが触った。


やわらかい


これ?


え?



イッ!嫌ッーーッ!!



思いきり抱きしめられ、男性の唇が私の唇に重なっている。


いやッ


ん…


くッ!


「 あれ?何だカップルかよ、クッ!あの姉ちゃんどこ行っちまったんだ? 」


「 おいッ!向こうだ!行こうぜ! 」


『『 カツッカツッ…バンッ!ブルルル… 』


数人の男性は車へ乗って行ってしまった。



………



長い時間放心状態が続いていた。





こんなところで…



憎しみと悲しみが全身を縛りつけた。



何もかもが嫌になって涙が止まらない。


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