第4話<α>
「なあ、お前、この前の子、どうなった?」
「この前の子?」
「ほら、クラブで会ったっていうキャバの子。」
「ああ。あの子なら、しばらく会ってないな。」
「そうなんだ。金払えずに飛んだ?」
「いや、もう終わった奴だよ。」
「終わった?」
「しばらくどハマリして、週一ペースで売ってたんだけど、途中から、『金が用意できない』『でも欲しいから貸しにしといて欲しい』とかでうっとうしかったんだよ。しかもなんなら俺と付き合いたいとか言い出してよ。多分、俺の彼女になれば金を払わなくても手に入るとでも思ったんだろうな。だからとびきり質の悪いやつ渡したら、ぶっ壊れて終わりよ。どっかで野垂れ死んでるんだろうな。」
「うわあ…。エグいことするな、お前。」
「は?対価も払わずに良い思いしようなんて考えてるやつの方がおかしいだろ。まあ、こんな悲惨な結末になったのも、家庭環境が原因だろうな。」
「家庭環境か…。まあ、俺らの商売相手は大抵家庭環境になにかしらの問題を抱えている奴が多い気がするな。」
「そう。全く子どもに愛を注がない。何も期待しない。あたかもその場にいないように扱う。そんな環境でまともに育つわけがない。そんな奴が大人になって子ども作れば、悲劇は繰り返すだけだ。ネグレクトっていうのはやっかいな問題だよ。まあそういった奴がいるおかげで俺らの商売が成り立ってるんだけどな。」
「なるほど…。」
「親に全く期待されないっていうのは意外と辛いっすからね」
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