第10話 『後日』

あの後、僕らは雷鳴館へと戻った。

僕が館へ戻ると他の宿泊者達が何か言ってきていたが疲労でよく聞こえず、寛さんと姉御が他の人達を宥めていたらしい。

そして朝になり、僕らは救助された。

その際宗弘さんを引き渡した、その時にはぶつぶつと何かを呟くだけの廃人へと成り果てていた。

とりあえずそのあと僕らは病院にて精密検査を受けてから自由となった。

まぁ、若干2名はそのまま警察へと厄介になっていったが。

しかしたった3日しか無かったがとんでもない体験が出来たな。

まぁ、とりあえず家に帰ってくる事が出来たし良しとしよう。

それに。

僕は部屋に荷物を置くと玄関から出て自宅の敷地内にある倉へと入り、金庫を開ける。


「宗弘君、すっかり忘れてたな」


そこにはかつて僕が使った猟銃と小さな少女の骨が置いてあった。

まさか宗弘君が僕と一緒の事をするだなんてね。

それに気づかないのも無理はないか、僕の今の姿はたえちゃんなんだから。

いやぁそれにしても今回食べれなかったのは残念だなぁ、でもまぁいいか。


ピンポーン


僕はその音が聞こえたので金庫を閉じて倉から出る。

そこには1人の女性の姿があった。

その女性は此方に気づくと笑顔でこう言ってきた。


「ユウ、さっき電話してきて突然家に来てくれってどうしたんだ?」


姉御、巴はそう言って聞いてきた。

でもまぁと僕は扉を開けて。


「まぁこんなところで立ち話もなんだ、家の中に入ってゆっくりしていきなさい」


僕がそう言うと巴は僕の口調に首を傾げたがすぐに家へと入った。







ダンッ!


「美味しぃ」


やっぱり食べるのはこれに限るよね。僕はその料理を完食すると時間もいい頃合いだったので風呂に入る。


「おっとと」


流石に成ったばかりだと体のバランスがとりにくくて敵わない、しかも胸が大きいと前への比率が大きい。これは前より慣らすのに時間がかかりそうだなぁ。

とりあえず僕は風呂から上がり鏡を見る。


「うん、今回も綺麗に出来てる」


そこには笑顔の巴が映っていた。

うんうん、いい感じ。

そういえばあの村の由来忘れられてたな。

あの村の由来と言えば。


谷の上の方からる神の為の


故に来渓、故に。


「僕の村」


あと数十年にもう一度行こう、今度はもっと美しい者を食べに。

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