作者様は二次創作だと仰っていますが、古典すぎて、次に続く吸血鬼モノがもはや「彼」の二次創作だということを忘れそうになるほど由緒正しい『ドラキュラ』の世界を舞台に、復活したドラキュラ伯爵と、これももう腐れ縁となってしまった感満載の、ヴァン・ヘルシング教授のコンビが、新たな吸血鬼騒動に挑む——という話。
一応二次創作なので、もちろん原典の知識があったほうが楽しめることは間違いないのですが、まあこれを読もうという人は多かれ少なかれ“吸血鬼”(または“ドラキュラ”)というものに関して基礎的な知識はお持ちでしょう。
もし全く無ければ、ゲイリー・オールドマン主演の『ドラキュラ』を観てから臨むことをお勧めする(そうなるとヴァン・ヘルシングをアンソニー・ホプキンス—代表的キャラクター:ハンニバル・レクター—のビジュアルでイメージすることになるが…まあ良い)。ブラム・ストーカー『ドラキュラ』の外見描写なのだが、小説なのだから、お気に召さない向きはそんなものは無視して好みのビジュアルで想像すればよろしい。私はおじいちゃん×おじいちゃんでも一向に構いませんが。
そう、舞台背景には目をつぶって、ブロマンスか、老人性愛の〇〇の話、として読むことも可能…ってすごく失礼なことを書いている気もするが、こんなことを書いてもイケるだろうと思わせるほど、とにかく二人の関係性が可愛い。
いろんな意味で「…大丈夫?」と言いたくなってしまう、じれったいというかくすぐったいというか、いい意味でモヤモヤして最後には「うん、やっぱり吸血鬼モノはこうなるよね!(こうでなくちゃ!)」とシュミ丸出しで叫びたくなるような、非常に個人的なツボに入った一作でした。
追伸:望むらくは第二部をカクヨムで公開して頂きたい…‼︎ もう是非…!