第3話 絶対クリア不可能
さて、歩き出そうという時に傍からひょこっと少女が出てきた。
誰だこいつ。
「おにーさん先行かないなら、先行くね!」
冒険者らしい少女は怪しい通路を歩き出す…が。
『引き返しなさい…』
「えー…!うわっつモンスター!」
『引き返しなさい…』
「えー…!うわっつモンスター!」
……一歩歩くごとにこれだ。どうやら床にトラップが仕込んであるらしい。
ならば、オレは「床がない場所」を「すり抜け」れば楽勝という事だ。
トラップにかかりながらも一歩ずつ前進する少女を脇目に黒い空間を颯爽と駆け抜けた。
だが、出口には門番がいた。
オークの騎士か。遠隔魔法でぶっ飛ばすか…距離を取り高位魔法を……使えない。
ツッ魔法禁止エリアか…だったら仕方ない。1発殴って強制戦闘終了させてやる。
「おまえ、ズルしてる。お前、通さない。」
オークは喋った。戦闘になるかと思ったら下水の最初のところに戻ってた。
なんの前振りも、素振りもなく、場面転換が起きたかのように戻された。
一方あの女はその間も着実に戦い、着実に敵を倒してる。
お前もオークに飛ばされろ…と思ってみてた。
「おまえカケラ持ってる。通っていい。」
所謂、そこのエンカウント通路を通ってカケラを入手して通してもらえ、と。
あー面倒だ。これじゃあ「すり抜け」ができない。かと言ってご丁寧にわざわざ闘ってカケラ集めもやりたくない。
俺の力でこのフロアをぶち壊すーって、そんなことできてたらとっくにやってる。
カケラの個数を把握してオークに挑むのも手だが、数を操作するってのもあるが…これも面倒だ。
なら、これだな。最初からやり直せばいい。
リマセラだ。
俺は迷わず、最初へ戻ることにした。このゲームを「クリア」出来る「鍵」をもう、見つけていたから。
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