第6話 『愛』(お金)
「ほんとすいませんでした、酒に酔った勢いで……」
大男が、ふんどし一枚で土下座していた。鬼のような形相の乙女達が、言った。
「町奉行所行きね」
「それだけは勘弁を!! 許してくれたら欲しい物を買ってあげます!!」
「許しましょう」
乙女達が慈愛に満ちた笑みを浮かべたとき、桃太郎は気付いた。『愛』こそすべて、だと。若き神は思った。『お金』とは言えねぇ……。
かくして、鬼退治っぽい事を成し遂げた桃太郎一行は、大男や乙女達と一緒に賑やかな町へ繰り出した。綺麗な飾り道具、衣類などを惜しげもなく購入し、荷車にのせる程の量だった。まるで宝の山のよう。桃太郎一行は若き乙女達と別れ、大男とともに我が家を目指した。
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