僕の誕生日
「「「誕生日おめでとう(ございます)!!
フィグラ(様)!」」」
「わっ。…っありがとう!!」
僕の誕生日…その日、いつものように昼前に起きた僕は下に降りるとお母さん、お父さん、リリさんに一斉に祝われた。
「そっか、僕…今日から大人なんだね」
「ふふっ、そうね」
「フィグラが10歳か…時の流れというのは早いな」
「そうですね…まだ赤ん坊の頃が昨日のように思えますよ」
「そうだな……さて、フィグラ。フィレットは昼あたりに帰ってくると連絡が来たから、あと数時間以内に帰ってくるぞ」
「ほんとっ!?」
久しぶりに会える!!…何ヶ月ぶりなんだろ、前あったのが新年を祝う、日本で言うなら正月だったから…約3ヶ月ぶりかな?
「あと、明日学院へ申し込みをしに行く」
「っ!うん」
「申し込みをして…そうだな、後日…もしかしたら2日後に試験を受けることになるだろう」
「僕、頑張るよ!」
「俺たちは応援してるぞ」
お父さんがそう言い終えたと同時に家の玄関がコンコンとノックされた。それを聞いてお母さんが「はいはーい」と向かった。
「あっ、申し込みをして後日って事は…学院がある場所の宿とかに泊まるって事?」
「そうだな。流石に往復は時間が無駄すぎる…」
時間かかるんだ。…そもそも、学院って何処にあるの。…これも勉強不足?いやいや、そんなわけないよねー。
そんな事を考えていると玄関の方から「あらー、フィレット。久しぶりねぇ」と、声が聞こえてきた。…フィレット?
「お兄ちゃん?」
「フィグラ様、フィレット様がお帰りになられたようです」
「おい、フィグラ。少しは加減を…って聞け」
お父さんの静止を無視して僕は玄関へと全力で駆け出した。…若干、死神スキルの能力を使ったのは秘密だ。
「あら、フィグラ」
「ん?やぁ、フィグラ。久しぶーー」
「フィレットお兄ちゃーーん!!」
「うぐっっっ!!!…っはぁ」
フィレットお兄ちゃんのお腹に僕は思いっきりダイブした。ドンッッ!!!と鈍い音を立ててフィレットお兄ちゃんは僕を受け止めた。
「…お兄ちゃん!久しぶり」
「ぐぐ…あ、あぁ…久しぶりだね、フィグラ」
ありゃー、受け止められたよ。残念っ、前より強くなったから流石に受け止められないと思ったけど、受け止められちゃった。
「フィグラ、また強くなったのかい?」
「うん!」
「…それじゃあ、次からは突撃してくるのやめて欲しいね。そろそろキツイんだけど」
「え?」
ちょっと何言ってるか分からない。
「ふふふ、そっか」
「あっ、ちょ…お兄ちゃん、痛い痛い」
頭掴まないで…
「二人とも、いつまでイチャイチャしてるのー?」
「「イチャイチャしてない!」」
「ふふ、はたからみたら完全にイチャイチャしてるわよ?」
「「……離れよっか」」
僕とフィレットお兄ちゃんは顔を見合わせて、これ以上お母さんが誤解?をしないように離れた。
「さっ、二人とも一回家に入りなさい」
「「はーい」」
◆
「フィレット、久しぶりだな」
「父さん、久しぶり。元気そうで何より、あっリリさんもお久しぶりです。相変わらず麗しいですね」
「おい、俺のこーー」
お父さんがお兄ちゃんに無視されてて固まっている。それを見てお母さんがクスクスと笑っている。
お父さんは涙目になった。…笑。
「お久しぶりです、フィレット様。いきなり私を口説くのはどうかと思いますよ」
「ははは、口説いてるつもりはなかったんだけど」
「お兄ちゃん、今のは口説いてるよ」
「え…」
「自覚なかったの?」
「全く」
「お兄ちゃん、まさか学院でも同じことしてないよね?」
「流石にしてないよ…」
「よかったぁ。してたなら僕学院に入学する気失せるよ」
「入学するのかい!?」
「うん、するよー。だから話を聞こうかなって思っているの」
「なるほど、そういうことだったのか。フィグラなら絶対に合格できるよ」
「コホン。まぁお前ら。細かいことは夕飯時に話そう」
なんか、お父さんが若干無理矢理会話に入ってきた感が凄い…
「「はーい」」
「でも、まだまだ時間があるから二人とも自由にな」
「じゃあ、お兄ちゃん。僕と模擬戦しよー」
「え"…」
というわけで模擬戦だよ!
◆
「なーんで、こうなったんだ?」
僕とお兄ちゃんは現在、家の庭で向かい合っている。武器は持っておらず互いに無手。肉弾戦だね!
「あははっ、なんでだろうねぇ?」
「…まぁ、いいか」
「じゃっ、行くよ!」
「いいよ」
僕は、腰を落として弧を描くように腕を回して構える。あれだね、日本で有名だったあれ…なんだっけ、ドラ○ンボールの悟空だね。
「…はっ!」
足に力を入れてお兄ちゃんへと突っ込む。
「いっつも突っ込んでくるだけではダメだと何回も言ったよ、ね!」
殴ろうとした僕の拳をお兄ちゃんが受け止めようとするけど、流石に僕も何回もやってるから、
「分かってる、よ!」
受け止めようとしてたお兄ちゃんの腕を逆に絡みつくようにして、勢いのまま僕はお兄ちゃんの股間を特に何も考えず蹴ろうとする。
「っ!!ふっ!」
「ありゃ…」
行けるやろ〜、そう思いながらやったせいかお兄ちゃんのもう片方の手で僕の足を掴んだ。
「馬鹿かな?あと、僕の股間を蹴ろうとしたね」
宙吊りになった状態でプラーンプラーンと…頭に血が…
「あはは、でも…まだ終わってないよ!」
「う、がっ!?」
もう片方の足に力を入れてお兄ちゃんの横っ腹にドズンッ!!と重い蹴りを入れた。そして、足の拘束が緩んだ隙に今度は細い腕に力を込めてお腹に重い一撃を入れる。
「まだまだ行くよ!」
後ろによろけたお兄ちゃんに足払いをかけ、そのまま組み伏せる。
「チェックメイト」
「いたた……って、さっきの連撃なに!?」
「あはは」
お兄ちゃんのツッコミ?に僕は超絶いい笑顔で笑った。勝ったよ!やった。
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