第42話
陣内は桜田の顔を見て
「桜田さん、申し訳ございません。遅れてしまいました」
「いいんだ」
桜田がそう言ったと同時に甲斐憲司は陣内に殴りかかろうとしたが、それを赤星が止めた。
「君が石原裕次郎なんだね?」
陣内は赤星に声をかけた。
「はい」
「8人のスターの噂は聞いてるよ。ここまでアクロポリスを追い詰めてくれてありがとう。感謝する」
陣内は頭を下げた。
甲斐憲司が抵抗しようとした瞬間、赤星は甲斐憲司の腹を蹴った。それと同時に赤星はポケットから手錠を出し、甲斐憲司の腕に手錠をかけた。
「犯人確保!」
赤星は叫んだ。
その後、赤い屋根の建物の中を警察が捜査をし、甲斐憲司が自分の体に打った注射器の中には危険ドラッグが入っていた事がわかり、警察は甲斐憲司を殺人罪と麻薬所持罪で逮捕した。
あれから2日後、8人のスターは警察と共にアクロポリスについて捜査をし、幹部を含めた構成員を全員逮捕した。彼らはボスである甲斐憲司が逮捕されたショックで8人のスターや警察に攻撃しようとしたが、あっさりと逮捕された。
こうして、アクロポリスは解体された。次の日、甲斐憲司の裁判があり、赤星は傍聴席に座り、裁判の行方を見ていた。
検察側からの質問に甲斐憲司は否定するばかりだった。また、検察はアクロポリスが解体された事を告げると
「クソーーー!」
と発狂した。
裁判の結果、甲斐憲司は死刑判決を受けた。
裁判から4日が経ち、桜田は8人のスターを呼び出し、アクロポリス解体後の進路について聞かれた決まっている者もいれば決まっていない者もいた。
それから全員には
『お別れ』
という言葉が頭をよぎった。
桜田に言われた進路についてそれから全員は必死に考えた。
その1週間後、就職先が決まった者のほとんどはシェアハウスを出た。
これで、8人のスターは解散した。
8人のスターが解散したニュースは人々に衝撃を与え、再び8人のスターを題材にしたドラマやアニメがあちこちの放送局から流れ始めた。
解散後、彼らは新しいスタートを切り開いていくのだが、それはまた別のお話…。
完
8人のスター 目黒恵 @meguro831
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます