第32話
「薬師丸!いい加減にしろ!」
「アイツが最初下級生虐めたりしていたのが許せなかったんすよ!」
「お前、成績だって良くないしこのままだと退学だぞ!」
薬師丸は同級生と喧嘩をした後よく担任の男性教師からそう叱られている。
薬師丸と同級生の喧嘩の原因は、同級生が後輩や他校の生徒や中学生を虐めているのを薬師丸が目撃し、虐めを止めさせようとして次第に暴力に発展していった事だった。
薬師丸は両親からの説教が毎日あり。薬師丸がどんなに自分は虐めが許さなかったからだと発言しても両親や教師は信じなかった。
ストレスが溜まりに溜まった薬師丸は、その頃から悪いグループと連んでよく酒を呑んだりタバコを吸うようになった。
「おい!ヤック!セブンでマルボロ買って来い!あ、なかったらメビウスでいいや!」
リーダー格の少年はそう薬師丸に指示を出した。
「はい!リーダー!」
薬師丸は返事をし、コンビニへ向かいタバコを買いにレジに行ってレジの機械に設置されている20歳以上を申告するボタンを押し、タバコを購入した。
薬師丸は購入したタバコをリーダー格の少年に渡すと
「あーメビウスしかなかったか。大丈夫それで」
リーダー格の少年は満足そうにタバコを吸った。
それから薬師丸もちょくちょくタバコや酒を買って仲間達と楽しんでいたが、コンビニの前で酒を飲んでいるところを店の店長に見つかり薬師丸達は逮捕された。
薬師丸が逮捕された時、父親は激怒し、母は嘆き悲しみ、教師や同級生からは『ざまぁみろ』と言われた。
少年院での薬師丸は何も喋らなくなった。同時に後悔をする日々を過ごしていた。
そんなある日、桜田が薬師丸の少年院を訪れ、桜田からアクロポリスの事を聞き、薬師丸はそれから8人のスターとなった。その際、桜田は薬師丸の両親にこう約束をした。
「息子さんを必ず更生させます」
最初胡散臭いと感じた薬師丸の両親にそっと自分は元警視総監だと告げると薬師丸の両親は安心したのか頭を下げ
「よろしくお願いします」
と言った。
いつものように薬師丸と紅がリビングで勉強していた。
「あ!ウル!ここは違う!」
「すみません」
「いいか!この問題は…」
薬師丸がそう偉そうに言うと遮るように
「薬師丸、通ってた高校から手紙来てるぞ!」
赤星が手紙を持ってきた。
「え?手紙っすか?」
薬師丸は赤星から手紙を受け取った。
手紙の中身を見た薬師丸に
「同窓会か何かですか?」
紅が聞くと
「違う。なんか8人のスターとして生徒に話をして欲しい事があるから来てくれと…」
薬師丸が手紙を読みながら言うと
「え、大丈夫か?お前1人で来いって書いてあるぞ」
赤星は横から手紙を見て言った。
「大丈夫っす。1人で行くっす」
薬師丸はそう自信満々に答えた。
この後手紙を受け取った薬師丸がアクロポリスの罠に引っかかるとはこの時誰も思っていなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます