第31話
赤星は昨夜の薬師丸との会話を思い出していた。大学への入学希望と今までの出来事どう繋がったか若干理解できない部分が赤星にはあった。
「それは、薬師丸君がこの8人のスターを通して自分の進路について考えるきっかけになったって事じゃない?そのためには大学行かなきゃって事だったから大学行きたいとか言ったんだよ。きっと」
恋人の小夜はそう意見を言った。
「よく考えたらそうかもな」
赤星は考えながら言った。
「薬師丸君、最近勉強頑張ってるみたいだからあんまり言い過ぎないほうがいいわよ」
「わかった」
『薬師丸明照君、もう一度人生をやり直したいと考えた事ある?』
薬師丸は最近少年院で桜田から聞かれた事を思い出していた。
『薬師丸明照君、もう一度人生をやり直したいと考えた事ある?』
『いきなりなんすか?』
『いや、これはただの質問であってもし答えたくないならいいよ?無理して答えなくても』
『そういうパターンっすか…。うーん…』
『無理しなくてもいいよ?』
桜田にそう言われた薬師丸だったが、薬師丸には何回も人生をやり直したいと思った事はあった。未成年者にも関わらず20歳以上だと嘘を言ってコンビニの店員を騙してタバコや酒を購入したり通っていた高校では些細な事から同級生と大喧嘩をしてよく教師に怒られていた。喧嘩も最初は、口喧嘩だったが、次第に暴力を振るうようになった。薬師丸はそんな自分が嫌になる事が度々あり、自分は人生をやり直して真っ当な人間になりたいと思っていた。
『あるっちゃある…て答えっす』
『じゃあYESでいいのかな?』
『はい…』
「俺はちゃんと人生やり直してんのかな…」
薬師丸は1人で時々そう呟くのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます