第30話
二代目は裁判の時からずっと自分の容疑を否認し続け刑務所内でトラブルを起こし続けていた。だが、その1週間後、刑務所から脱走したが看守に見つかり、二代目は看守の目の前で隠していた銃を自分の頭に突きつけ引き金を引いてそのまま帰らぬ人となった。
8人のスターは桜田からこの話を聞き、全員自業自得と口々に言った。
二代目の自殺から3日後、夜遅くまで勉強している薬師丸を赤星は見かけるようになった。あれだけ嫌々やっていていたのに急に勉強を頑張り出した事を不思議に思い、赤星は薬師丸に思い切り聞いてみた。
「薬師丸、どうしたんだよ?最近勉強ばっかで」
「赤星さん…。俺この間の件で色々考えたんす!」
「この間の件って二代目か?」
「二代目もそうっすが、その前の月島さんの監督の事や花見さんの元彼を取った女の妹の事も含めて自分の将来について考えてたんす」
「将来?」
「俺、もしアクロポリスが解体されたら受験して大学行きたいんす!」
「待って!待って!」
赤星は少し訳が分からず、
「ちょっと整理させてくれ!なんで二代目の件から将来とか大学って考えたんだよ。大学っていっぱいあるだろ!大学で何を勉強して何になりたいの?二代目とかの件と薬師丸の将来がどう繋がったんだよ!」
「ざっくりっすが、公務員?赤星さん、俺さっきも言った通り今までの事で色々将来考えるきっかけになったんすよ!」
「意味分からん!あのなー!公務員って区役所以外に公立の学校の先生や警察官があるんだよ!」
「じゃあ、警察官」
「じゃあって…。待てよ!お前もしかして誰かを守りたいとかそういう仕事就きたいのか?」
赤星がそう聞くと薬師丸は力強く首を縦に振った。
「そういうのは、警察官以外に自衛官があるから」
「あーそういえば」
「お前何回任務で自衛隊の方に会ってんだよ!まさかお前の頭の中は不思議の国のアリスか!いつもお前の頭の中はお茶会ばっかやってんのか!」
赤星は混乱するばかりだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます