第27話
最近ぼんやりとしている長曾我部を心配した桜田はある事を提案した。
「長曾我部君、君ずっとイタチさんの事考えていたんでしょ?」
「いや…そんなことは…」
「お墓参り行ってきたら?」
「お墓参り⁉︎でも場所は…」
「場所は聞いてきたよ」
桜田はポケットから折り畳んだメモ用紙を長曾我部に渡した。
桜田は、警視総監だった時の伝手で長曾我部に内緒でイタチの墓がある墓地を探した。探して4日後に、多摩霊園にイタチの墓がある事を知り、今日に至った。
「明日行って来るといいよ」
桜田から背中を押され、長曾我部は次の日行く事にした。
長曾我部は、途中仏花とお線香を購入し、多摩霊園へ向かった。バスに揺れて10分後、多摩霊園に到着した。
長曾我部は桜田のメモを頼りにイタチの墓を探し、お線香をあげ、仏花を生けた。瞼を閉じれば、イタチとの思い出が蘇った。また、長曾我部はイタチに8人のスターに入った事を報告した。
イタチの墓参りを終え、帰る途中長曾我部は若い男にぶつかった。
「すみません」
長曾我部が謝罪すると男は
「いいんですよ」
と笑顔で返した。
「ありがとうございます」
長曾我部はそう会釈して去った。
男は、長曾我部の後ろ姿を見てニヤリとし、ポケットからスマホを出し、電話をかけた。
「はい…。私です…。8人のスターに接触できました。…いえ、間違いありません。8人のスターの林家三平です」
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