第26話
23歳になった長曾我部は、街コンや婚活パーティーに行っては相性の良かった女性を騙して金銭を取り、始めた頃から数えると総額10億円だった。元々長曾我部は俳優と間違われるくらいの顔をしているため、女性は騙されやすかった。
だが、猿も木から落ちる事がある。長曾我部は30歳の7月、騙された女性の家族から通報を受け逮捕された。その4ヶ月後の11月、見習いだった頃の師匠のイタチが刑務所で息を引き取った。
長曾我部は刑務所に入ってすぐイタチと再開したばかりだった。その時、長曾我部は自分の落ち度で捕まった事を謝罪したが、イタチは
「寛、お前はよくやった」
そう優しい声で話した。
長曾我部はその時のイタチを忘れられなかった。
長曾我部は2代目イタチと名乗る男が出現してからずっと生前の自分の師匠のイタチの事を思い出していた。
何をするにもこの調子で他のメンバーは困惑していた。無理もない。自分にゆかりのある人間と同じ名前で同じ詐欺師だ。何か積もり積もったところがある。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます