第15話
重政麻里子は発狂したかと思ったら小夜に目掛けて毒薬が入った瓶を投げつけたが、小夜はそれを片手でキャッチした。
それを見ていた他のメンバーと桜田はホッとした。
「クソ!クソ!クソ!」
重政麻里子は地面に座り込むと拳で地面を叩いた。強く叩いたせいか拳には血が滲んでいた。
すると蟹川の連絡を受けた警察官らが駆けつけ、重政麻里子に手錠をかけた。
警察官に押さえつけられながら重政麻里子は
「美空ひばり!8人のスター!覚えてなさい!甲斐憲司様がアンタらを殺すから!」
と甲高い声で叫んだが
「黙れ!」
警察官に叱られた。
一同は『甲斐憲司』という自分の名前を耳にした瞬間に
「甲斐憲司…」
「まさかアクロポリスの親玉の名前が出てくるとは…」
「早速桜田さんに報告しましょう!」
「そうだな…」
「この後嫌な予感がします…」
「なる前から言うなよ!」
一同は驚き中には不安になってしまう者もいた。
小夜はすぐ
「あ!石原さん!石原さんは?」
「ひばりさん、桜田さんが付き添っているんで桜田さんからの連絡を待ちましょう」
月島が説明すると島のスマホの着信音が鳴り電話に出ると
「はい…。桜田さん!石原は?石原は…。あーよかった!ありがとうございます!失礼します!」
島が電話を切ると
「石原は無事だ!命に別状はない!」
それを聞いて一同は安堵した。
小夜は病院に寄ると言って他のメンバーと別れ、赤星が入院している病院へ向かった。
病室に行くと赤星は小夜に気づき
「花見!」
「赤星さん!」
「桜田さんは?」
「先に帰った」
「そうですか…。あの…さっきは私のためにごめんなさい」
「なんで謝るんだよ!当たり前だよ!お前が大切だから!」
「ありがとうございます。そうですよね…。私達仲間ですからね」
暫く沈黙が続いたが小夜がふと
「赤星さん」
「なんだ?」
「あのこの間の…」
「あーあれ本当に思っているんだ。花見が可愛いって事」
「あ、ありがとうございます。赤星さん、あの時と今日の事で私言いたい事があって」
「言いたい事?」
「私…赤星さんの事が好きです。赤星さんは私を冬樹の呪縛から解いてくれた…。だから」
赤星は返事をしなかった。
「赤星さん?」
「俺も花見が…小夜が好きだ…」
「私もです」
赤星は暫く小夜を優しく抱きしめた。
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