第8話
「空一!いい加減いつになったらちゃんと働いてくれるんだ!」
「空一!家にいないで外で働け!もういい大人でしょ!」
蟹川の両親はいつも蟹川にこのように説教をしていた。
蟹川は、26歳の時、働いてた工場で大怪我をした事がきっかけで仕事を辞めたが、転職活動をせず、家の中で過ごすニートの生活を送っていた。最初は両親も蟹川が怪我したから仕方がないと思っていたが、退職して半年が経つと定職に就かない蟹川にイライラし、定職に就くよう厳しく言うようになった。しまいには、蟹川の2人の姉や学生時代の同級生と比較され、蟹川はストレスが溜まり、数年後、コンビニ強盗をするようになってしまった。
その後、蟹川は逮捕され、刑務所で桜田と面会し、8人のスターのメンバーとなった。
蟹川がコンビニに行くと1人の男がアルバイト店員を人質に取りレジからお金を盗もうとした客の中には警察を呼ぼうとした者がいたが、異変にすぐ気づいた蟹川が男を柔道の背負い投げで倒した。倒れた男は逃げようとしたが、蟹川に腕を掴まれた。
蟹川が男の腕をチラッと見ると男の腕にはフクロウの刺青が彫られていた。
男はすぐ逮捕され、蟹川は今まで起こった事を桜田に報告した。
桜田は、他のメンバーを呼び出し、会議が行われた。
「蟹川君、これ本当なんだね?」
桜田がフクロウの刺青の写真を見せて聞くと
「はい!間違いありません」
「蟹川君、これは厄介だ」
「どういう事ですか?」
「この刺青を持った人は、アクロポリスのメンバーだ!」
桜田の言葉に一同は驚いた。
「ていう事は…」
「この間の爆破予告といい今回の人質事件といい…。アクロポリスはもう動き出しているんだ!」
「それを解体させるのが…」
「君ら8人のスターだ!」
蟹川は昼間背負い投げで倒した男の事を考えていた。蟹川には過去の自分と同じような事をしているため、男を過去の自分と重ねて見ていたのだった。
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