第7話

 小夜と紅は、シェアハウスで他のメンバーの服を洗濯していた時、蟹川のデニムのポケットからくしゃくしゃになった紙らしき物を見つけた。


 そこへ通りかかった蟹川を発見した小夜は鬼の形相で

「蟹川さん!」

「なんだよ?怖い顔して!びっくりするじゃないかー」

「びっくりするじゃないかじゃありません!紙はポケットから出して下さい!蟹川さんのせいで、もう一回洗濯し直さなきゃいけなくなったんですよ!洗濯する側の事も考えて下さい!」

「へいへい」

 蟹川は面倒臭そうに言って去った。

「何?あの態度!紅ちゃんもあんな人みたいになっちゃダメだよ!」

 言われた紅は

「は、はい」

「それにしてもなんで蟹川さん、あんなにだらしないんだろう…。ていうか、洗濯した事ないのかな?」

 小夜が疑問に思っていると

「した事ないじゃないの?」

「それより花見、言い過ぎじゃないか?」

 赤星と島がやってきた。

「どういう事ですか?」

 小夜が聞くと

「いや、前に1人暮らしした事あるか聞いたらないって言ってたし…」

 赤星が言うと

「ていう事は、お母さんにやってもらったって事ですか?」

 小夜が聞くと赤星と島は頷いた。

「そういえば、この間、皆さんの部屋を掃除した時、蟹川さんの部屋の床が物で散乱してました」

 紅が素直に話すと

「ああ、あったな!あの後、紅ちゃんの代わりに俺と長曾我部さんで注意したよな」

 赤星は思い出した。

「どうしてあの人あんなにだらしないんでしょう…」

 小夜が考えながら言うと、長曾我部がやって来て

「あんまりに詮索しないほうがいいんじゃない?」

「長曾我部さん⁉︎」

「そんなにきつく言ったら蟹川君、可哀想だろ?」

「はい…」


 長曾我部に言われ、蟹川についての考察は中断されたが、まだモヤモヤした気持ちが残る4人であった。

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