第6話
8人のスターは翌日オリンピック出場のため、フランスのパリから帰国して来た選手達の護衛のため、空港へ行った。
空港には、多くの人が集まって選手が来るのを今か今かと待っていた。1時間後、選手達が姿を現した。
選手達の帰国で盛り上がっているその時、
「あれ〜!島じゃないか〜!」
気味が悪い猫撫で声で叫ぶ中年男性の声がした。
「俺の事殴ってこんな所にいるのか〜?」
選手も集まったファンは不愉快な気持ちで叫んだ中年男性を冷めた目で見ていた。
島は中年男性に名前を呼ばれ金縛りにあったかのように体が動かなくなった。
「三船、誰だ?」
赤星はヒソヒソ声で聞くと
「昨日話した元上司だ…」
「え…」
すると薬師丸が中年男性の方に歩いて
「おいおいおい!おっさん、今俺達仕事中なんだよ。邪魔すんなら帰れよ。皆、おっさんのせいで不快なんだよ」
「三波君止めろ!」
桜田が制止したが、
「おっさん、どこの誰だよ?」
薬師丸にそう言われ
「わ、私はそこにいる島の元上司だった岩田だが」
「じゃあ、三船さんが言ってたクソ上司ってアンタか?三船さんはアンタがトラウマで苦しんでんだよ!」
「三波!止めな!」
「伸介君!そこまでにしろ!」
蟹川と長曾我部が制止させた。
「新太郎さん!三平さん!俺、ああいう野郎が許さないんだよ!」
薬師丸達のやりとりを聞いてた岩田はニヤリとし、
「ははーん。さっきから聞いてわかったよ。そこの君が三波って呼ばれていて、止めてた2人が新太郎と三平。後、島!あなたが三船って呼ばれてたって事は…実名が使えないような仕事なのか〜。という事は、全員ろくでもない事をしてた奴らなのか…」
「これ以上言ったらつまみ出すぞ!コラッ!」
「落ち着いて」
桜田が注意したと同時に蟹川と月島が薬師丸を制止させた。
「岩田さん…」
「もう止めにしませんか?」
桜田を遮るように赤星は岩田の前に立つと
「周り見てください。あなたのおかげで、帰国して温かく出迎えていた気持ちが台無しになったんですよ。あなたが三船を否定したせいで。三船は、心優しく正直な男です。そして、俺の大事な仲間です」
赤星の言葉をきっかけに選手や集まったファンの視線は一斉に岩田に注がれた。
「まだ騒ぐようであれば、警察を呼んで出て行ってもらいますよ」
気まずくなった岩田は
「わかったよ…。島…お前はやっぱりろくでもないのは変わらないな」
逃げるように去った。
「石原…ありがとう」
島がお礼を言うと
「三船は仲間だからだ!またあの上司が来たら…」
「俺がボコボコにするっす!」
赤星を遮るように薬師丸は言った。
「伸介君はもっと抑えるべきだよ」
月島が優しく言うと
「はい…」
薬師丸はしょんぼりした。
その夜、本拠地近くのシェアハウスのリビングで赤星と島がTVを見ていると蟹川がやってきた。
「蟹川さん、お疲れ!これ見ろよ!」
赤星がTV画面を指指すとTVでは、コンビニ強盗のニュースが流れていた。
蟹川は画面を見て
「へ、へぇー。こんな奴いるんだなー」
と不自然な言い方をし、
「俺トイレ」
そう言うと去った。
「何だ?」
「分からない」
赤星と島は蟹川の後ろ姿を呆然として見るのだった。
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