青春は暑い

清河ダイト

第1話

──暑い……。


自転車のペダルをひとこぎ。


──汗やっべ……。


時刻は朝の7:40。


──おかしいだろこの暑さ……。


ギンギラギンに堂々と輝く太陽。


──あー雲がかかった、スズシーナー。


でも結局は蓄積した熱によって汗をかく。


なんか、最近異常に暑い。

マスコミは地球温暖化じゃなんじゃ言ってるけど、ネットを除けば地球温暖化なんてねぇーよって言ってる人もしばしば。


「いやどっちやねん!!」


思わず声が出る。

通行人の視線が気になったが、暑すぎてどうも思わない。

暑さでアタマおかしくなったか、いやなったな(確信)


信号赤、自転車を停める。

これがまた辛い。

停まっている方が暑いからだ。


──あー、見なくていいけど汗が滝のようだぁーあ。


もしこの世に神がいるのであれば言ってやりたい。

いや、そもそも知ってるのか?


ボートする意識の中で、俺は天を仰いだ。


「最近、暑くないですか?」




自転車通学ってなんか涼しいとかいう偏見ありますけども、実際やってみたら全くもって涼しくない。


あ、春や秋は涼しいです。


ただ、夏っていう季節はそうもいかん。

ま、もしかしたら私が暑がりなだけかもしれないですけど。


「行ってきマース」

冷房の効いた家The 天国の玄関ドアを開ける。

途端に熱風──とはいかないまでも、生暖かい空気が肌をなぞる。


この時、たまに風が強く、気持ちが良い時がある。

その時だけが涼しいと思える時間だ。

そう、この時だけ。


数十分もしたら日が昇り、いっきに汗が吹き出すのです。

風が吹いても気休めで、というか温風で、まったく涼しくない。


高校2年生。

片道45分、もう通いなれ……てない道だ。


この辺り、近くに航空自衛隊の基地があるため、時たまジェット機やレシプロ機、双発機が飛行機雲を伸ばしている。


結論から言うとそれが唯一の救いなんですよね。


私、ミリオタですからそういうのに興味がいっちゃうんです。

まあさすがに、ドッグファイトなんてものは見れませんが、行く飛行機と帰る飛行機、それらを眺めて帰るのが日課なんです。


まあそれはいいとして。

たまーにどす黒い雲がこっちに向かってくる時があるんですよ。


引き返したくなっちゃいます。

でも、進みます。

進むしかないですから……。


天の神をすこし恨みつつ、制服の吸水性と透明性を兼ね備えたスバラシイカッターシャツを濡らして学校に行きます。

とうにか乾かします。


それから私はカッパを常備しました。

結果荷物が重くなり、数日で晴れの日は持っていかなくなりました。

夕立が降ったら笑います。

笑うしかないですから。


でも、曇りの時はいくらかマシです。

風も吹いていたら最高ですね!

暑いのには変わりませんけど。


「た、だいま……」


おまけに自宅は山? 丘? の上。

行きは坂道で涼しくてチョー速いんですけど、帰りは地獄、大地獄。

完全に日は昇り、長い坂道をどうにか登ります。

押して歩く方が暑いです。


そうして苦労の果て、家につくとそこはもう、冷房の効いた天国なのです!



結局何が言いたいか、青春の裏には苦労はつきものだということです。

あ、家が高校から10km近く離れてるからかもですけど。


そんなこんなで、私は今日も夏補習から帰ります。

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青春は暑い 清河ダイト @A-Mochi117

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