エピローグ
「私が子ども?」
僕は頭を抱えていた。まさか僕より二つも年上だなんて思いもしなかった。
「でも『お兄さん』って……」
「そりゃ背が高いしね」
「『無知で無垢な少女』って……」
「揶揄うのがとても楽しいものね、お兄ちゃん?」
プールに来たはずなのに本を読む空ちゃんーーもとい空さん。都会に来たとしても……いや、初めから揶揄うために都会に来た説が有力か。
背の小さな博識お姉さんは僕のことをオモチャだと思っているらしい。
「どうしたの?チラチラ見てきて。妄想と違った?」
「いや……」
またしてもニヤニヤと嫌な笑みを浮かべてこちらを見ている。どうにも、これからもずっと遊ばれる未来しか見えないのは何故だろうか。
少女との夏休み Racq @Racq_6640
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