第33話


「 ルイ様!? 」


「 静かにしろ! たかが数人、部隊を出すことも無かろう、あまり表沙汰にしたくない、騒ぎが大きくなれば、民の不安が募るばかりだ、ここはオレが行って様子を見てくる、お前達はいつでも出られるように準備だけしておけ! 」


「 承知致しました! 」


そのまま、ルイはブロンを誘導しながら、城門の方へ行こうとする。


「 ルイ! 待てよ! 」


「 なんだ? 」


「 ひとりで行く気じゃないだろうな? 」


「 だったら何だ? 」


「 面白そうだから一緒に連れてってくれよ 」


「 ふん…勝手にしろ… 」


やはりな…こうでも言わなければ、負けず嫌いの性格のルイの事だ、おそらく一人で行っていただろう…まぁ、あれだけの達人なら負ける事などないと思うが…


それにしても、判断力といい、闘争心といい、有能な軍師兼兵士だ…女子おなごにしておくのは勿体ない。


ん?…男だったか?


ふふ、どちらでも良い。


もし、ルイが仲間になってくれれば


あの宿敵にさえ、勝てるかもしれない。



「 何をしている…置いていくぞ! 」


「 ま、待てよ!ルイ!頼むぞ!ノア!ハイヤアッ! 」


『 ヒヒ~ン! 』


二人は国境を目指し、塀門をくぐりぬけると風の如く颯爽と走り去って行った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る