第31話
「 様子を見に一度町へ出る、馬は扱えるのか? 」
「 ああ 」
「 そうか、こっちだ! 」
いくつもの階段を走り降り、一階に到着すると、大きな扉の前に立つひとりの兵士が俺たちの方を見て、だらけた体勢から背筋を伸ばし立ち直った。
「 おい 」
「 は、はい!ルイ様!ご出陣でございますか! 」
「 まさか・・偵察だ!
「 はい・・それが・・あいにく、救援探索の為、皆、出払っておりまして、残っているのは奥にいる
「 そんなことは承知の上!、いいから早く出すんだ!」
「 は、はい! ただいま! 」
連れてこられた馬は話通りの暴れ馬、首を左右に振りながら興奮状態の中にあり、口取り兵を困らせていた。
ケントとルイの前に現れたノアは尚、不機嫌そうに暴れている。
「 無理にとは言わぬが、どうする?坊や? 」
少し悪戯な目で、いかにも俺のことを試すような口調で言いながら、小悪魔のような笑みを浮かべるルイ。
「 行くに決まってんだろ?・・馬は素直だからな、誰かさんと違ってさ 」
「 どう言う意味だ!? 」
「 さあな! いくぞ!ノア! 」
『 ザッ!! 』
ケントはノアに飛び乗った。
それまで、長い鬣を揺らしながら暴れていたノアだったが、ケントがまたがった途端、嘘のように一点を見つめて微動だにしなくなった。
「 信じられない… 」
白い風・・
あの時の鷹といい、あの、ノアでさえも操れるというのか!
ケント…
其方の底知れぬ能力が羨ましい・・
馬は素直だと?・・
ふッ…確かにな…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます