第30話



まただ…


ぼうやのペースに狂わされてしまう…


逃げようと思えば十分逃げられたはずなのに……


力強く、それでいて優しく、妾の身体を抱きしめて…



!?



この香りは・・



「 これからどうする? 」


「 それより・・」


「 なんだ? 」


「 いッ、いつまで抱きついているの

だ!・・」


「 うん? 」


『 バシッ!!!! 』


ミタモフウズ変態! 」


「 い…いきなり何しやがる!! 」


「 フン!…ここへ来る前に、アリスと何をしていたんだ?全部分かっているぞ!その手をどけてあの鏡の前に立ってみろ!」


訳がわからないまま姿見の前に立ってみた・・


「 これは!? 」


ルイに叩かれた左のほほには、クッキリとキスマークが付いていたのだった。


「 汚らわしい… 」


「 こ、これは無理矢理彼女に… 」


「 言い訳無用!そんなことはどうでもいい! ついてこい! 」


「 おッ!おいッ!待てよ!ルイ」


もしかしてあいつ…嫉妬してるのか?


「 早くしないか!!! ミタモフウズ!!!・・ 」


「 俺は変態じゃない!剣人という名がある!」



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