第27話   選択肢


部屋の中央にはテーブルがあり、その上には一枚の大きな紙が置いてある。


ルイは椅子に座ると、その紙をジッと見つめ始めた。


「 これは? 」


「 そのことで、ケントに言わなくてはならないことがある 」


「・・・」


「 お前に謝らなくてはならない…プロフェッサーの話は無かった事にして欲しい」


「 何故? 」


「 どぶネズミ… 」

 

 ラファエルの言ってたやつらか…


『 バンッ!!! 』


ルイは立ち上がると、紙の真ん中に思いきり小さな拳を振り下ろした。


「 奴等がくる! 」


「 この国のやつらか?・・ 」


「 そうだ 」


ルイが拳を解き、テーブルから手を上げると、赤く染まった〔ドルマ帝国〕の文字が浮かび上がってきた。


「 師弟ごっこをしてる場合ではない、時間が無いのだ 」


「 ドルマ帝国? 」


ルイは口を噤んでしまった。


あの、自信に満ち溢れていた時の面影はひとつもない。


「 悪魔の騎士団と恐れられている、奴等の通った所には、草木一本も残らないというくらい獰猛だと云う・・我が領土には鉱山があり、金や銀が採れる、それに、土地も豊かだ、それを狙って奴等はやってくる・・・しかし、本当の理由は・・」

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