第16話
ウゥ…
はっ!
「
・・・・
金色の細長い眉に碧く光る大きな瞳、見た事のない真っ白な肌の美しい顔立ち…
そいつに今俺は見つめられている。
戦っている時はマジマジ見る余裕なんてなかったが
俺は、こんな奴を相手にしていたのか
・・・・・
ぼうやがあの時隙を見せなければ、私は確実に殺されていただろう。
信じられないが、私の動きなどこのぼうやに比べたら、赤子のように止まって見えるというのか?
こうして目の前で見ると、今までに見たことの無い鷹のような鋭い目、なのに…
綺麗に透き汚れ無きその黒く輝く瞳に、何故か身体中が熱くなり胸が苦しくなる。
あの時、迂闊にもぼうやに胸を触られて、思わず感情を剥き出しにしてしまうとは…
情けない。
それからだ、この羞恥な心の迷いが溢れそうになり、なんとも言いようのない嫌な感じが止まないのは…
何故だ!
いずれにせよ私の次元を超越したあのぼうやを
我がものにしたい。
ふたりの目線がお互いを刺す中、ピンク色の小さな口から甘い声が囁かれる。
「
微かに聞こえて来たその言葉に、お爺さんとラファエルは互いに目を見合わせ、驚きを隠しきれないでいた。
「 ルイ様とあの少年の決着はつかなかったが、武器無しであそこまで互角に闘えるとは、悔しいが俺様も認めざるを得ない…ルイ様が惚れ込むのも無理はなかろう 」
ケント・・お主はいったい何者…
ーー
「 一週間後にまた来よう、その時までに考えておいてくれたまえ 」
そう言い残し、ルイと役人達は行ってしまった。
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