第15話



倒れかかる剣人の首めがけて、ルイのソードが光の如く振り下ろされた。


もはやこれまで


お爺さん・・すまない


剣人は最後の力をふりしぼり、両手により受け身の型を作った。


『 生きるのじゃ! 』


父上!


その時!


『 ピーヒョローー! 』


天空より、聞き覚えのある笛の音が剣人の耳に届いた。


と、次の瞬間!?


冷たい風と共にカマイタチがルイの腕に交差した!


ううッ!


なッ 何だッ!


冷たい風が白色の緒を残しながら消え去っていった。


剣人の腕まであと僅かのところで、ロングソードはルイの手から離れ天高く舞いあがってゆく。


ルイの身体はその反動で、剣人の上に覆い被さるように倒れていった。


『 ピィ〜 』


笛の音はいつの間にか天に吸い込まれ、辺りは物音ひとつしない。



『 ヒュー〜〜   ザクッ… 』



ピクリとも動かないふたりのもとに、ソードが舞いから還ると、ルイのヘアメッシュを掠めながら地面に突き刺さった。


ハラリと解けたルイの金色のロングヘアが、剣人の顔を撫ぜるように拡がる。



「 ・・うッ 」



微風のようなルイの髪にくすぐられながら、甘い香りに刺激された剣人は意識を取り戻した。


まさかあいつが!?


助けに来てくれた…


小さな耳もとで吐息をもらすと少し遅れてルイも目を覚ました。


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