日常の会話は居心地がいい

カナタハジメ

日常の会話は居心地がいい

「なぁ、空ってなんか良いよな」


「……急にどうした」


校庭が一望できる窓側の席を勝ち取り、そこで一日を過ごせる倉瀬は窓越しに群青が広がる空を見上げながら、ポエムじみてそう呟いた。

その、倉瀬の頭を心配するそうに顔を歪めた和泉がツコッミを入れる。


「いや、だってさ~俺らってさ……こうルールで縛られて日々を過ごしてるでしょ?」


「まあ、そうだな」


和泉は倉瀬の話を聞く気なのか、和泉は倉瀬の心意を聞くため無難なあいずちをうつ。


「そうでしょ?それに、比べてさぁ~空ってのはどこまでも広く広がってるじゃん?まるでさ、しがらみがないように……自由に存在できるからさ、いいな~て」


「でも、そーかな?」


倉瀬は和泉の発言にびっくりしたのか空を見上げるのをやめ和泉のことを見つめた。


「……だってよ、確かに空はさぁ無限に広がってるように見えるけど、実際は違うじゃん……この地球て星をぐるっと囲んで、宇宙からの異物を俺ら人間や動物に植物…この地球に存在する生物を守るために存在してくれてるだ…だからさ、空が自由ているのは少し…違うくないか?」


「………」


和泉の意見が正しく感じたのか、空に対しての無責任の発言に後悔した倉瀬はおし黙った。


「てか、なんの話だこれ?」


「空についての俺の意見が今、和泉のせいで変わったところ」


「お、おう」


和泉は状況が飲み込めなかったのか顔を歪めている。


「でも、そっか」


「どうした、倉瀬?」


ひらめいた顔をした倉瀬に対して和泉が疑問を持ちかけた。


「考えて、見ればそうか…今の空にもルールがあるから空は自由がないところだなぁ…そう考えると……」


「そうだな、でも……」


倉瀬は和泉の正論が来ると身構える。


「でもさ、それはさ人間が決めたルールだろ?概念的に……さっきは否定したけどさ、俺も実は空には自由が……いや、違うな…自由に考えることができる、空の向こうには宇宙が広がってるだろ?宇宙は学者さんたちが色々解き明かしたりしてるけどそれってさ結局、机上論にすぎないし、……て、あれ?」


「お前、何言ってんだ?」


「……それな」


和泉と倉瀬は笑った。


「てか、お前が言うなよ倉瀬」


「それは……そうだな」


「もう、行くぞ、次、移動教室だぞ」


「おう」


和泉は倉瀬をほって教材を持ち教室を出ようと舌が、走ってきた倉瀬に肩を組まれた。


「てか、これさ、高校生が話す内容か?」


「あんまり、しないんじゃあない?」


「そうだな」


「うん」


アホみたいに感じたのか2人はさっきよりも大袈裟に大声あげて笑いあった。



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