第56話 ひとりで
残されて1人きりで生きる
明日からは心を閉ざしたままで
もう二度と夢など追いかけはしない・・・
1年間の入院をへて彼は元の会社へ戻った。
彼は何も考えずに毎日、ひたすら仕事だけをしていた。
やがて、彼は遠い地方の会社に転職をした。
彼は家族や同志との連絡を断ち切って、1人だけの生活を始めた。
彼は他人と親しく接することをなるべく避ける様にした。
彼は仕事上の事務的なこと以外の会話は殆どしなくなった。
彼は喜怒哀楽を表情に表すことも無かった。
彼は能面の様な表情で出社して勤務をし退社後は真っ直ぐ自宅へ帰っていた。
休日の彼は1人で「あの人の写真」を見ながら昔の楽しい思い出に浸っていた。
彼は写真の中のあの人とこころ中で楽しく会話をしていた・・・
彼は彼女の幸福を祈る言葉と謝罪の言葉を、何時もこころの中で呟いていた・・・
時々、彼はノートに何かを書いていた。
どんなことがあっても、彼は孤独で寂しいと感じることは無かった・・・
「1人で静かに生きていれば誰にも迷惑が掛からない」
と、彼は思っていた。
様々なトラブルで苦しむことがあっても、彼は
「狂人の私は、人を殺しても罪に問われない」
「最後の手段の時には、相手を殺せば良い」
と思うことでトラブルに耐えていた。
後は、ひたすら年月だけが過ぎていった・・・
謝罪諦念編 終わり
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます