第56話 ひとりで

残されて1人きりで生きる

明日からは心を閉ざしたままで

もう二度と夢など追いかけはしない・・・




1年間の入院をへて彼は元の会社へ戻った。

彼は何も考えずに毎日、ひたすら仕事をしていた。


やがて、彼は遠い地方の会社に転職をした。

彼は家族や同志との連絡を断ち切って、1人だけの生活を始めた。


彼は他人と親しく接することをなるべく避ける様にした。

彼は仕事上の事務的なこと以外の会話は殆どしなくなった。

彼は喜怒哀楽を表情に表すことも無かった。

彼は能面の様な表情で出社して勤務をし退社後は真っ直ぐ自宅へ帰っていた。


休日の彼は1人で「あの人の写真」を見ながら昔の楽しい思い出に浸っていた。

彼は写真の中のあの人と中で楽しく会話をしていた・・・


彼は彼女の幸福を祈る言葉と謝罪の言葉を、何時もの中で呟いていた・・・

時々、彼はノートにを書いていた。


どんなことがあっても、彼は孤独で寂しいと感じることは無かった・・・

「1人で静かに生きていれば誰にも迷惑が掛からない」

と、彼は思っていた。



様々なトラブルで苦しむことがあっても、彼は

「狂人の私は、人を殺しても罪に問われない」

「最後の手段の時には、相手を殺せば良い」

と思うことでトラブルに耐えていた。




後は、ひたすら年月だけが過ぎていった・・・


謝罪諦念編 終わり


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