おまけ・第五部完結記念座談会
ファタリア城・某一室にて。
ヤルン=ヤ/キーマ=キ/ココ=コ でお送りします。
ノリしかありません。ご了承の上、お読みください。
ヤ)ド疲れー!
キ)最初からやけに飛ばしてるね……
コ)お疲れ様です
3人)かんぱーい!
コ)なんだか久しぶりですね、お茶会も
キ)名目は思いっきり「反省会」だけどね
今回もなかなかに反省点が多かったんじゃない?
ヤ)ぐぐ。否定出来ないっ
キ)一番やばかったのはあれでしょ、氷漬け事件
コ)ああ、あの時は死ぬかと思いました……
キ)すぐに見つけて貰えて、ほんと幸運だったよ
ヤ)あーそうかよ、どーせ俺が悪いんですよー!(イジケ虫)
コ)いえ、私ももっと良く考えれば良かったんです
どうなるのかという興味が先に立ってしまって
キ)何気にココもそういうところあるよね。
まぁ、こっちもけしかけちゃったわけだし。
ヤルンだけ責めるつもりないって
コ)そうですよ。私も前に反省会で氷漬けにしちゃいましたし……
ヤ)むー
キ)全員無事に生きてるんだから結果オーライっしょ
ヤ)それはそれで呑気過ぎだろ
コ)ふふっ
(一息ついて)
キ)話は変わるんだけどさ
ヤ)ん?
キ)ヤルン、この前凄く落ち込んでたけど、あれは何でだったわけ?
ヤ)い、いつの話……?
キ)ついこの間だよ。オルティリト師に呼ばれてどこかに出かけた日。
帰ってきてから凄く凹んでたじゃない
コ)え、何かあったんですか? 訓練がうまくいかなかったとか?
ヤ)やー、何のことかなー? 記憶にないなぁ?
キ)なんでとぼけるのさ。あの日も聞いても教えてくれなかったし
ヤ)何もないって。ちょっと疲れてただけ!
コ)……?
キ)怪しい
ヤ)怪しくない!
キ)ココ、どう思う? 気にならない?(じりじり)
コ)なります。何があったんですか?(じりじり)
ヤ)なな、なんだよ。両サイドからにじり寄ってくるなって
キ)素直に白状しなよー(じりじり)
コ)言ってしまった方がすっきりしますよー(じりじり)
ヤ)分かった! 分かったから離れろってば!!
キ)あはははは。相変わらずヤルンはこれに弱いねぇ。
じゃあとっとと話してよ
コ)わくわく
ヤ)この人達ひどい! プライバシーの侵害!
キ)そんな幻想は早く捨てた方が自分のためだよ?
ヤ)悪魔がいる! ……もう良いよ。その代わり、笑うなよな
コ)笑うようなお話なんですか?
キ)聞いてみないことにはねぇ?
ヤ)……師匠にさ、お使い頼まれてさ
コ)お使いですか? お城の外へ?
キ)あぁ、それで帰りが遅かったんだ。でも、なんでそれで「笑う」の。
変なものを買いに行かされたとか?
ヤ)駄菓子だよ!
キ)夕方にわざわざ? 確かに城じゃ手に入り辛そうではあるけど
ヤ)それが、ただのお使いじゃなかったんだ。
訓練の一環で、「魔術で変装して買いに行け」って命令されてさ
キ)変装って、前に話してたあの術?(注:第一部完結記念座談会より)
あれって色々と制約がなかったっけ
コ)あの頃より私達も技術が向上しましたから。
外見だけじゃなくて、触った感じとかも大丈夫になったんですよ
キ)へぇ? じゃあ持続時間も伸びた?
コ)はい。お城とお店の往復くらいなら全く問題ないと思います
ヤ)正確には門を出てから、買い物して門に戻るまでな。
その間は誰にもバレるなって
キ)ふんふん。それで何に変装したのさ?
ヤ)……駄菓子屋に行くんだからガキに決まってんだろ
コ)えっ。じゃあヤルンさん、小さくなってたんですか?
キ)へー、何歳くらいの想定?
ヤ)8歳から10歳の間くらいか?
夕方だったし、あんまり小さいと面倒臭いことになりそうだったしな
コ)ええ~、見たかったです。どうして教えて下さらなかったんですか?
ヤ)そういう反応すると思ったからだよ……
キ)成程。それで疲れてたんだ。面白そうだったのに見損ねて残念~
ヤ)その反応も予想通りだな
コ)見たいです!(ずいっ)
ヤ)え。い、今? いや、恥ずかしいから無理
コ)そんな……お願いします!(ずいずい)
ヤ)圧が凄いなオイ!
キ)じゃあ、みんなでやってみるのは? それなら恥ずかしくないでしょ
コ)面白そうですね! では早速私から! 鏡はありますか?
キ)はいどーぞ。鏡がないと難しかったりするんだ?
コ)しっかりイメージしないと、上手に変装出来ないんですよ。
ちょっとお時間くださいね
キ)了解ー。なら、ヤルンは城の外のどこで変装したのさ
ヤ)あ? んなの、建物の影だよ。
何回か練習してから出かけたから、鏡なしでやったんだ。
一応、用水路を覗いて顔の確認はしたけどな
キ)ばっちり、師の監修済みだったってわけか
ヤ)言い回しが気持ち悪ぃんだよ! 監修とか言うな!
コ)えっと、出来ましたぁ。どうですか?
キ)おおっ、可愛い! ねぇ?
ヤ)お、おう。(可愛い……)随分小さくしたんだな。5歳くらいか?
コ)せっかくですから、この方が面白いかと思ったんです
キ)はは。この状況、軽く犯罪臭がするね
ヤ)お前の発言こそ犯罪チックなんだよ!
ココ、とっととキーマにも術かけちまえ
コ)うーん、キーマさんの小さい頃ってどんなふうだったんでしょう
ヤ)適当でいいんじゃね? どうせだから好きに遊んでやれ
キ)雑だなぁ。……ココ、どうかした? 目がキラキラしてない?
コ)なんだか楽しくなってきました! 頑張りますね!
キ)もしかして魔術ハイになってる? 大丈夫……?
ヤ)……っと!(変装完了)
俺も同じ年くらいにしてみたぞ、どうだ?
コ)か、可愛いですっ! はわわ……(にじりにじり)
ヤ)分かった! 気持ちは分かったから突撃禁止!
コ)むー。えぇと、じゃあ、キーマさんはこんな感じで!
キ)わっ、ほんとに縮んだよ。(鏡で確認)おお、懐かしい
ヤ)大体合ってるみたいだな
コ)お二人ともすっごく可愛いです! ぎゅってしても良いですか?
ヤ)絶対駄目! お前テンションおかしいぞ、茶でも飲んで落ち着け
コ)ええ、つまらないです……
キ)ココの意外な一面だね。
「落ち着け」ってお茶をすすめる5歳児も面白いけど。
それで、いつまでこの姿でいればいいのかな
ヤ)そうだな。ココも満足しただろ、解くぞー
コ)ええっ、もう少し、あと少しだけ!
ヤ)おしまいおしまい。……よっと!(元に戻る)
コ)もう終わりですかー? 残念です(元に戻る)
ヤ)良いから早くキーマのも解いてやれよ
コ)はい。あら?
キ)うわぁ、嫌な予感がするなー?
コ)解けません……
キ)やっぱり。ヤルンは?
ヤ)かけた本人が解けないんじゃお手上げだ。……ガチガチだな。
気合い入れ過ぎ。仕方ない、一晩放置だ
キ)それでも解けなかったら?
ヤ)師匠に見て貰うしかないな。洗いざらい尋問されるだろうけど
コ)す、すみません。あの、お詫びに元に戻るまで私がお世話を
キ)うん、とっとと部屋に戻って寝ようか
ヤ)そうだな
《終》
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