月を纏う怪人が語り出す。

 「欠けたピースを探す時、何を頼りにしよう?」


 陰にならないように 体を伸ばして 伸ばして


 前は全部が不鮮明。後ろは眩し過ぎて見えない。

 息を吸って、吐く。風を感じる。空はきれいだ。


 忘れものはロッカーの中?

 川底に沈めた船。


 「そんなにこだわらないでよ。

 あなたの記憶は一分ももたない」


 温かいと思っていた、と。震えるほど冷たかった。


 星のない夜・・・夜は好き。

 そう、好きなもの・・・。


 ミルクティー。プルシアンブルー。

 鮮やかすぎて、目を細めている。


 見えていないんじゃない?

 きっと、そう。



 次の舞台。

 いつも少し大きすぎた気がする。


 影の中にあっても、あの花の色は、はっきりわかった。

 小さな箱の中ぐらい、暴れまわろう。

 どうせ出ることのない荒野とビルの街。


 聴こえる音には少しだけ、耳を傾ける。けど、それだけ。

 ここでは、僕の生む音と心を揺するメロディーが全て。


 邪魔するなよ。その口、凍らせようか。


 ドクン。ドクン。弱々しい。

 けれども消えない。


 ピースサイン。握手をしようか。速いリズム。

 夏風が揺らしたシャツと、秋の暖かなジャケット。


 「あなたのペンで、歯車が動いた」


 もうわかったかな?

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