第2話 作戦会議(1人)
ラブコメなんて作品を俺 青山翔平はよく読む。
客観的に見て陰キャでもないと思うが小説は好きなんだ。ラブコメのヒロイン。いつもこんなことで好きになるなんて本当にちょろいな〜って思っていた。主人公も同様。ご都合主義だなって。
ちょろいのはおれでぇーす。
少し罵られただけで神崎のことを好きになってしまった。
でも仕方ないんだよ。恋はするものじゃなく落ちるものだ。by翔平
まぁ、そんなこんなで俺はマイナス好感度をせめてプラマイゼロに戻すために神崎に対して謝罪をする作戦を立てていた。
「普通に教室に行って、謝るか?でも、教室のみんなに告白しようとしてるって思われないか?つまり、俺はドMだとみんなに公表するようなものだ。そんなのは嫌だ」
なんて、1人で呟いてみる。もちろんこの作戦会議は俺一人なので返事はない。
次の日、朝起きて普段気を使わない髪を整えて、制服に着替える。
元々顔悪くないと自覚しているが、髪型を整えると普通の男子高校生にはなるな。なんて思いながら家を出た。
通学路。ポツポツと同じ制服を着た生徒たちが友達や彼女と通学している。皆、俺の方をついて何やらひそひそ話をしている。
なんだ???少し耳をすましてみる。
「あいつだよ。神崎に罵られて目覚めたやつ」
「まじか....あいつもか....」
おいおい、なんかもう噂広がってんじゃん。
まぁ、廊下だったし見てたヤツがいたんだろうな。
よし、俺の学校生活終わりだ。残りの学校生活ドMの青山って言われるんだろうな〜。まぁ、別にいいや。俺は神崎と付き合うんだ。
そう、ポジティブ青山でぇーす。
学校について教室に入る。朝のホームルームが終わって神崎の教室に出向く。
神崎は2組俺は1組。つまり隣の教室だ。
2組につくと皆、こちらへ視線を向ける。
「神崎さん、いますかーーー!!」
俺は大声で、神崎を呼ぶ。神崎は一瞬ぴくりとしてこちらへ視線を向ける。次の授業の準備をしていたようだ。
心底嫌そうな、ゴミを見るような目。やめろ、そんな目で俺を見るな。壊れる。
だが、神崎はこちらへ来てくれた。
「なんですか??変態さん」
「おっふ」
やべ、変な声出た。
平静を取り繕いながら
「昨日のこと謝りたいんだ。放課後裏庭に来てくれないか?」
断られそうだなーって思ったが、それは杞憂に終わった
「分かりました」
そう言って神崎は踵を返す。
どうやら来てくれるようだ。
「じゃあ、頼んだ」
2組の生徒たちの視線を受けながら俺は自分の教室に戻った。
その日の授業は集中できなかった。そりゃそうだろう。謝罪を受け入れられなかったらどうしようとか、考えて、上の空。先生に注意されても全く頭に入らなかった。
放課後急いで裏庭に向かった。この学校はコの字になっており、校舎と校舎の間が裏庭になっている。
急いで向かったのでまだ、神崎は来てないようだ。校舎に沿うように置かれているベンチに座って、謝罪の予行練習をする。
さぁ、上手くいくかな....そんなことを思いながら少し目を瞑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます