憎き母と再開した。
俺と夏輝が合流し早速引っ越し作業に取り掛かる。とりあえず手順はこうだ。
まずうちのものにある軽いものをトラックの座席に置き、その後夏輝の私物を前の姉の部屋に置いてく。その後トラックの荷台が空になったら両親の私物を荷台に詰め込むという算段だ。
そして今現在夏輝と共に持ちやすい荷物を持って憎きと約一週間ぶりに再会するのだろうけど、どのように振る舞えばいいんだ。
反省したふりをして考え直させるか・・・・・・・・それとも怒りをぶつけて今までの鬱憤を晴らすか。
・・・・・・・・・・いや後者の方は明らかに毒手だ。
下手に怒らしてこのマンションの契約を切らしたら不味い。
ここは生き残る為に感情を捨てるべきだ。
エントランスを抜け、トラック前にいるBB・・・・・・・いや麗しのお母さまに合うために作り笑いをし接する。
「お・・・・・・・・・お久しぶりですね。お母さま今日一日よろしくお願いします」
「・・・・・・・・・・・・・」ぺこり
M・U☆S・I!!!!
今一番人生の危機に瀕してる息子を空気みたいにスルーして夏輝に声を掛けてきただと
「夏輝ちゃん疲れてる時に悪いけどそこの愚息と一緒に頑張ってね」
「いえいえこちらこそボクの引っ越しの為に荷物を運ぶの手伝ってくれてありがとうございます」
「そんなに褒めてもなにも出ないわよ。どうせあっちの愚息はこっちが苦労して荷物を運んでる間家でゴロゴロとゲームをしてたのでしょう。正直アレには見限ったので死ぬ気で頑張ってほしいくらいだわ」
「あの・・・・・・本人がいる前でそこまで言わなくても・・・・・・・・久しぶりの再会なんだからなにか一言でも・・・・・・・」
「そんなの一言もありません。大方媚びへつらえば私の意志が変わってくれると甘い考えを持ってるはずでしょう。この際ハッキリ言います。貴方が真面目になると完全に証明すれば今後の人生はサポートします。それが出来なければ来年の今頃は路上生活を考えてくださいね」
自信の母親の氷のような眼差しが俺の心臓に突き刺さる感覚が身に走った。
やっぱりだ。このBBAは俺のことを本当に見限るつもりだ。
母さんなら俺の挫折を分かってくれてると思ったのに
「そ・・・・・・・そんなことはないです」
「へぇそれはどういうこと?」
「明日火君は頑張ってます」
「この愚息が頑張ってる?それはどこなのか教えてくれるかしら」
ここでまさか夏輝が俺に助け舟を与えるなんて・・・・・・・・これは期待してもいいのか・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・洗濯を取り込んでくれるくらいかな」
前言撤回こいつに期待した俺がバカだった。
そんなこんなで荷物運びを行うことになりまずは夏輝の荷物を上の階まで持ってくのであった。
俺の部屋の階は13階とそこそこ高層なのでエレベータを使って荷物を運ぶこととなる。
というかそこまで金があるのならトラックだけ借りるより業者を雇った方が労力が少なくなるはずなんだが・・・・・
自分の母親なのに何考えてるか分からないのだ。
「くそ、重い!!!!」
「ちょっと明日火君もう少し力出してよ。男の子でしょ」
「そんなこと言ったって・・・・・・・くぉぉぉ腰が・・・・」
今俺は夏輝のベッドマットを夏輝と二人がかりで持ってるのだ。
ベッドフレームの方はばらして個別に分けて運べたがマットは別格だ。
重いのは勿論だがただでさえ大きいのでエレベータにギリ入るくらいでなにより同じエレベータに乗る他の入居者に気を使うので余計に神経を使う。
「大体なんでベッドがいまさら必要なんだよ。今まで通りリビングのソファで寝ろよ」
「あのね確かにあのソファは快適だったけどあまり寝れないんだよ。おかげで最近生徒会の活動中で何度か寝たことか・・・・・・」
その割には一昨日のジブリ見てた時は気持ちよく寝てたのですが・・・・・
「それなら俺の親のダブルベッド使えよ。あれだけはしばらくここに置いとくって言ってたし」
「さすがによその親の両親のベッドでは寝れないよ。君が添い寝してくれるんなら別だけど・・・・・・・・・・・なんてね」
ザワザワ
う・・・・・・・・・・視線が厳しい。
夏輝なりのジョークなのだがエレベータに一緒に乗ってる住人にも聞こえるからとても笑えないっというか周囲のやつらがいなかったら思いっきりツッコミ入れるくらいだ。はぁマジで早く終わってくんないかな・・・・・・・・
とても憂鬱な感じがしながらも仕事をこなし気づけば夏輝の荷物はほぼほぼ部屋に入れることができた。
予想以上に引っ越しがうまく進んだのは夏輝とうちのBBAが大半だろう。
あの二人は女性ながらも俺とは違い荷物を素早く運んでたからな。
まぁBBAの方は細い腕だから明らかに軽そうなものばかりもってたけどな。
夏輝のバカ力はともかく母さん他人の為に熱心に動いてくれるとは思わなかった。
仕事は食品系の会社の幹部でデスクワークが多く肉体労働は少ないってのにたいしたものだ。
ここまでのやる気をなぜ・・・・・・
あほらし、なんだかどうでもよくなってきた。
さっさと終わらしてあのBBAとお別れしたいのでほんの少し全力というものを出してみた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます